2002 Fiscal Year Annual Research Report
メディア・コンプレックスを用いた社会系教材開発の基礎的研究
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13680335
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
金子 邦秀 同志社大学, 文学部, 教授 (90121590)
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Keywords | メディア・コンプレックス / 「室町時代の人々の一年」コース / インターネット・エクスプローラー / 高校日本史 |
Research Abstract |
(1)研究2年目にあたる本年は、昨年度収集したメディア・コンプレックス教材関連のソフト、テキスト教材、教材作成メディア及び関連史料の検討を継続し、とくに、異種メディアの組み合わせなど実際に試行を行い、併せてメディア・コンプレックス教材開発に必要なソフト、関連文献を収集し、実際の教材作成を試みた。 (2)その結果、今年度は、OSの違いをこえて汎用性をもつインターネット・エクスプローラーを基礎にした教材開発を行った。その際、特にテキスト教材と画像教材との結合により、メディア・コンプレックス教材を社会系教科の任意の史料単元的なかたちで開発した。「室町時代の人々の一年」がその成果となる教材ソフトであり、概要は、論文としてまとめた。 「室町時代の人々の一年」の開発手順は以下の通りである。1)室町時代の人々の村での生活に関して、歴史学などの文献を検討し、教育内容として史実を選定した。2)上記の史実を、現行高校日本史の教科書の内容を既習の生徒に興味深く深化学習として学ばせるよう、組み替え、ストーリー性をもたせた。すなわち、毎年のように繰り返されることからサイクル・コースの副題をもつこのコースは、タイム・マシンにのった生徒が村人との対話を通じて、室町時代の春夏秋冬のムラの様子をその巡行に影響を与えた飢餓・天災・戦乱・犯罪をも交えて学習し、さらに、その村の仕組みを学ばせるものとした。3)また、最新の研究成果(仮説)を極力反映さることで、生徒には興味を、教師には教材の解釈の可能性を提起することに努めた。4)基本ソフトを変更したのでメディアの組み合わせは十分とは言えないものになった。今後、成果を発表するとともに、第四の教材開発を通じて、よりメディア・コンプレックス的な教材を開発したい。
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Research Products
(1 results)