2002 Fiscal Year Annual Research Report
コンピュータを利用した視覚障害者の英語読解力向上のための指導法の開発に関する研究
Project/Area Number |
13680337
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Research Institution | Tsukuba College of Technology |
Principal Investigator |
青木 和子 筑波技術短期大学, 視覚部・一般教育等, 助教授 (30269287)
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Keywords | 視覚障害 / 英語学習 / リーディング / コンピュータ / サポート・ソフト / ボトムアップ スキル / 単語認知 / モチベーション |
Research Abstract |
今年度は、既存のスクリーン・リーダーソフトを活用した指導プログラムの実施に加えて、その実施過程において明らかになった課題を整理・検討し、かつ精神物理学等における弱視者のリーデイング研究の成果を踏まえ、独自の視覚障害者用リーディング・サポートソフトを開発した。ソフトの概要とこのソフトを活用した英語リーディング指導プログラムについて次に記す。 1 特徴 (1)Speech SDKのインストールにより、英語の部分をネイティブの発音で読み上げる。音声は停止、再起動が可能。 (2)標準画面は視覚障害者向けに配慮し、背景は黒、文字は黄色で表示。文字の大きさ、色は自由に変更できる (3)表示させる文字列はテキストファイルで作成。改行までを1グループとするので、1単語のみから文章まで、様々な表示が可能である。最後の文字列が終了すると、所要時間が表示される。 (4)操作方法は、基本的にマウスを使わずにキー操作だけで行う。スタート/次に進む・繰り返し・リセットの操作を左右どちらか片手で操作が可能。 2 活用例と利点 読みのボトムアップスキルの獲得のために独自のプログラムを作成し、このソフトを使った指導を行った。プログラムは段階的に単語認識テスト、単語認識練習、フレーズ読み練習、最終課題である文章読み、と進行する。次にソフトの利点をまとめる。 ・晴眼者は勿論、様々な弱視者に対応できる ・学習者自身のベースで練習できる ・音声サポートにより、実際に単語を正確に読めるようになる ・読みのスピードが徐々に上がっていくのが実感できる ・達成感を得られることで、学習者のモチベーションが高まる 上記ソフトの開発過程においてテスト用のソフトの製作も試みた。弱視者に最も読みやすい環境を作ることと音声サポートをつけ、エクセルファイルをベースにプログラムをのせる。次年度は、この二つのソフトを活用し英語の読みの能力判定から実際の指導プログラムを完成させる予定である。
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