2003 Fiscal Year Annual Research Report
日本語学習者の長母音知覚と生成に関する実験音声学的研究と中間言語理論からの考察
Project/Area Number |
13680347
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
助川 泰彦 東北大学, 留学生センター, 助教授 (70241560)
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Keywords | 長母音短縮 / 中間言語 / 中国語母語話者 / 韓国語母語話者 / 韻律 / 習得順序 / 合成音声 / 境界判断実験 |
Research Abstract |
本研究では助川・他「日本語長母音短縮現象をめぐる諸要因の実験音声学的研究と音声教育への示唆」(1999)で得られた知見をもとに、外国人上級日本語学習者の発話データを資料として第二言語習得における日本語長母音の短縮現象の実態を明らかにしようとしたものである。 被験者としては中国語母語話者と韓国語母語話者の上級者および超級者の協力を得て聴覚的分析と音響分析を行い、さらに合成音声による境界判断実験を行った。 また、現在の最新の中間言語理論の見地から第二言語としての日本語学習者による長母音短縮現象の生成と知覚の両面を考察した。 これまでに以下のような知見が得られた。 1 韓国語母語話者においても中国語母語話者においても上級および超級話者では日本語母語話者の場合とほぼ同じような長母音短縮の生成面における実態が観察できた。 2 また、知覚面においても同様に母語話者と同じような判断の傾向を示していることが分かった。 3 上記の2点は中間言語理論の観点から分析すると、日本語の韻律上の諸特徴のうち習得順序としては比較的早い段階に起きていると推察される。
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Research Products
(1 results)