2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680364
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松崎 寛 広島大学, 大学院・教育学研究科, 講師 (10250648)
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Keywords | 音声指導教材 / 韻律諸要素 / ヤマ / シラバス / 体系的教育 / プロソディーグラフ / web |
Research Abstract |
初年度は、韻律諸要素(アクセント、イントネーション、プロミネンスなど)のうち、何を先に教えなければ他の項目が教えられないのかについての追究、すなわち体系的韻律教育のためのシラバスの構築をめざして、基礎的研究および教材試作版の作成および試用を行った。 まず、音声指導のために時間を割くことが難しい現状を鑑み、普段の授業の中で学習者の意識を音声面に向けさせるため、主教材の会話に見られる韻律諸要素がどのような配列になっているかを明らかにする研究を行った。現在、日本語学校や留学生センターにおいて最もよく用いられている教科書『みんなの日本語』における例文を韻律諸要素のうちのピッチの建て直し(ここで「は「ヤマ」と呼ぶ)の観点から整理した。 ここで得られた成果をもとに、体系的韻律指導の方法に関する演繹的な音声シラバスを提案し、音声についての多くの項目の相互の関係について考察を深めた。そして、高さや長さ等をわかりやすく示した教材「プロソディーグラフ」を用いて、効果的な項目提出順の考え方に基づく日本語音声指導教材を作成した。 以上の研究成果の一部は、第3回日本語音声教育方法研究会(於同志杜女子大学)において、松崎寛・河野俊之「アクセント教育の体系的シラバスとアクセントの『ゆれ』について」、河野俊之・松崎寛「体系的な音声教育方法とは何か」というポスター発表を行った。また、試作版の教材は、『月刊日本語2001年4月号〜2002年3月号』(アルク)で発表するとともに、javascriptや動作するようにしてweb上で公開した(http://home.hiroshima-u.ac.jp/hiroshim/pg.html)。
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Research Products
(1 results)