2002 Fiscal Year Annual Research Report
統計モデルにおける制約条件付きパラメータ推定とその安定性についての研究
Project/Area Number |
13680370
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田栗 正章 千葉大学, 理学部, 教授 (10009607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 明浩 新潟県立看護大学, 助教授 (60164779)
宮埜 壽夫 千葉大学, 文学部, 教授 (90200196)
中村 勝洋 千葉大学, 理学部, 教授 (10344962)
桜井 裕仁 千葉大学, 理学部, 教授 (00333625)
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Keywords | 相関係数最大化問題 / 2次制約条件 / 1次制約条件 / 特異値分解 / 最適解の安定性 |
Research Abstract |
今年度は、主として「2次+1次の制約条件が付いている場合の相関係数最大化問題」についての研究を行った。この問題は、目的変数yと説明変数ベクトルxの重み付け和z=w'xとの相関が最大になるように、重みベクトルwを決定する問題である。前年度の研究では、パラメータwに関して、(w-w_0)'(w-w_0)≦r^2という2次の制約条件が付いている場合について最適解を導出し、数値的な検討を行った。ところで現実の場においては、2次と1次の制約が同時にある場合がしばしば起こるので、今年度の研究ではさらにAw≦cなるいくつかの1次の制約条件が付いている場合について検討を行った。最適解を得る手順は、次の通りである。すなわち、まず標本空間で定義される相関係数や目的変数等の量を、(I-Q)Z[Qは射影行列,Zは計画行列]の特異値分解により定まる線形変換により、パラメータ空間の諸量に変換する。ところで2次の制約条件と1次の制約条件を満たす領域は一般にはパラメータ空間における集中楕円体となるので、これを求めれば前年度の研究成果が適用できる。そこでこの集中楕円体を求め、これを含む楕円錘を考え、幾何学的な考察も交えて最適解を求めた。次に目的変数yもベクトルの場合についても研究を進めているが、この場合は制約条件付きの正準相関分析の問題となるため解決が困難であり、解析的に最適解を得るまでには至っていない。しかし上記の最適解の安定性の問題、すなわちデータの微小変動によるパラメータ推定値への影響を求める問題についても研究を行っており、こちらについては興味ある結果が得られつつある。すなわち制約条件がある場合には、制約条件がない場合と異なり、パラメータの微小変動により相関係数の値が大きく変化する特異な点が存在することが確かめられつつある。この詳しい解析は、研究の最終年度である平成15年度において行う計画である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Noda, E., Nakamura, K., Koga, K.: "Performance and Applications of PSK Modulation Whose Number of Phases is not a Power of 2"2002 Proc. of International Symposium on Information Theory and Its Applications. 239-242 (2002)
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[Publications] Sakurai, H., Takahashi, K.: "Bootstrap tests for the equality of two distributions using Kolmogorov-Smirnov statistic"Proceedings of the 6th World Multiconference on Systemics, Cybernetics and Informatics. 16. 318-323 (2002)
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[Publications] Sakurai, H., Takahashi, K.: "Numerical examination on bootstrap tests for difference between two distributions using Kolmogorov-Smirnov statistic"数理解析研究所講究録. 1273. 87-99 (2002)
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[Publications] Oyama, T., Miyano, H., Yamada, H.: "Multidimensional scaling of computer-generated abstract forms"New Developments in Psychometrics [Yanai, H. et al. (Eds)], Springer. 551-560 (2003)
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[Publications] 汪金芳, 田栗正章: "統計科学のフロンティア:新しい計算手法と統計学,第11巻,計算統計I---確率計算の新しい手法:ブートストラップ法の基礎"岩波書店. 100 (2003)