2002 Fiscal Year Annual Research Report
マルチスレッド環境におけるハードリアルタイムなガーベジコレクションの研究
Project/Area Number |
13680389
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
前田 敦司 筑波大学, 電子・情報工学系, 講師 (50293139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 良夫 産業技術総合研究所, 情報アーキテクチャ部, 研究員 (10357460)
松井 祥吾 神奈川大学, 理学部, 助教授 (00221581)
山口 喜教 筑波大学, 電子・情報工学系, 教授 (00312827)
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Keywords | ガーベジコレクション / リアルタイム処理 / 並列処理 / システムプログラム / プログラミング言語 / 言語処理系 |
Research Abstract |
マルチスレッド環境においてハードリアルタイムシステムに適用が可能なGCアルゴリズムを開発することを自的として、JavaのバイトコードをC言語に変換して実行するJava処理系であるjexcをもとに、ガーベジコレクタの予備的なインクリメンタル化を行った結果を、7月に国際会議(NPDPA2002)で発表した。 さらに、これまで一括して(すなわち長時間停止して)行っていたスタックのコピーを、リターンバリアを用いてインクリメンタルに行うよう改良を加えた。これにより、ガーベジコレクタの全ての動作において、処理時間の上限を設けることが原理的に可能となった。このように改良を加えたガーベジコレクタを実装し、それに対して予備的な評価を行った結果を、研究会(実時間ワークショップRTP2003)で発表した。 また、新たなアプローチとして、世代別GCとインクリメンタルGCを組み合わせ、ある程度のリアルタイム性と高い処理性能を両立させる方式について提案し、研究会(第42回プログラミング研究会)で発表を行った。この方式は、2つの世代からなる世代別GCにおいて、新世代領域のGC(マイナーコレクション)のたびに少しずつインクリメンタルに旧世代領域のGC(メジャーコレクション)を行うものである。この方式では、従来のメジャーコレクションの長時間の停止時間を除去し、ハードリアルタイムではないがある程度のリアルタイム性と、世代別GCの良好なCPU効率を兼ね備えている。
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