2003 Fiscal Year Annual Research Report

WWWの構造特徴を利用した動的な情報空間の構築法

Research Project

Project/Area Number	13680404
Research Institution	Japan Advanced Institute of Science and Technology
Principal Investigator	林幸雄北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 助教授 (70293397)
Keywords	ネットワーク生態系 / Webリンク収集(クローラ) / 分散コンピューティング / 負荷均一化 / インターネット / 分散アルゴリズム / 情報幾何学
Research Abstract	本研究は、自律成長するWWWのリンク構造特徴に基づいた、効率的なソフトウエアロボット巡行(Webクローラ)法や情報伝搬の特性を明らかにし、ネットワーク上の人々の価値付けを反映したリンク構造を利用した、動的な情報空間の構築法をさぐるものである。初年度は、WWWの構造特徴を反映した人工的なネットワークを生成し、シミュレーション実験に基づいて情報伝搬特性を調べた。また昨年度は、Java+HORBに基づく数十台のPCで構成されたマスタースレーブの集中制御型および分散協調型のWebクローラの実験ベースを構築するとともに、インターネット上の処理を想定したサーバ性能が異なるヘテロな環境における負荷均一化の理論解析等も行った。今年度は上記の実験ベースを基に、ある程度大きな興味分野のカテゴリに対応したWebコミュニティ核を経由する新しい巡行法を考え、従来の幅優先探索法よりも高い比率で有益なハブ(豊富なリンクを持つ)やオーソリティ(被参照リンクが多い)頁が収集できることを10万頁以上の複数のサンプルから実験的に確認した。また、WWWと共通するScale-Free構造に起因する情報伝搬特性を明らかにするため、インターネット情報流の渋滞現象のシミュレーション解析や、自律成長するネットワーク上で情報伝達が同時進行する際の基本的な伝搬メカニズムを明らかにした。これらの特性は、コンピュータウィルスの拡散防止やその絶滅に向けての免疫化戦略にも適用可能である。また、現実の社会的、技術的、生物学的なネットワークに潜むそれぞれの結合特徴と情報伝搬の時系列的な挙動との関係についての分析を進め、それらの利点(ローカルな成長規則による連結性の保障、迅速で広範囲な情報の波及特性など)を取り入れた動的な情報空間の構築法の検討を進めている。これらの話題の社会的関心も反映して、学会からの2件の招待講演をはじめ、昨年に引き続き「ネットワーク生態系と空間デザイン」シンポジウムの主催なども務め、新しい研究分野の啓蒙活動にも貢献できたものと考えている。

Research Products

(15 results)

All Other

All Publications (15 results)

[Publications] Y.Hayashi, M.Minoura, J.Matsukubo: "Oscillatory epidemic prevalence in growing scale-free networks"Physical Review E. 69. 06112-1-06112-8 (2004)
[Publications] J.Matsukubo, Y.Hayashi: "Efficient method for collecting useful Web pages with the feature of the Web structure"Proc.of the 9th AROB. 2. 575-578 (2004)
[Publications] Y.Hayashi: "Epidemic SIR dynamics on scale-free networks"Proc.of the Int.Symp.on Dynamical Systems Theory and Its Applications to Biology and Environmental Sciences. 79 (2004)
[Publications] Y.Hayashi: "Optimal Topological Structure in Social, Technological, and Biological Networks"Proc.of International Symposium on Discrete Algorithms and Optimization. Abstract. 4 (2004)
[Publications] Y.Hayashi: "Efficient Load Balancing by Adaptive Bypasses for the Migration on the Internet"Lecture Note in Computer Sciences. 2658. 257-266 (2003)
[Publications] 林幸雄: "ヘテロな分散システムの負荷均一化の最適解"電子情報通信学会論文誌A. J86-A 10. 1075-1081 (2003)
[Publications] 林幸雄, 箕浦正人, 松久保潤: "ネットワーク成長によるメール型ウィルスの再流行と重点的なハブの免疫化の効果"情報処理学会論文誌. TOM9 44. 1234-1244 (2003)
[Publications] 林幸雄: "成長するネットワークの生態学"情報論的学習理論ワークショップ予稿集オーガナイズドセッション. 17-24 (2003)
[Publications] 林幸雄: "ネットワーク生態学入門 -経済,社会インフラ,生物における共通構造-"第9回創発システムシンポジウム予稿集チュートリアル講演. 9-14 (2003)
[Publications] 藤井速人, 林幸雄: "非営利団体(NPO)とのミスマッチ問題に対するXML検索支援システム"情報処理学会研究報告. GN-51. 31-36 (2004)
[Publications] 遠藤友基, 林幸雄: "SFネットワーク構造がパケット輸送に与える影響について"情報処理学会研究報告. MPS-48. 15-18 (2004)
[Publications] 松久保潤, 林幸雄: "WWW上の効率的なハブ探索法の提案と実装"情報処理学会研究報告. MPS-46. 25-28 (2003)
[Publications] 林幸雄: "コンピュータウィルスの再流行と絶滅のメカニズム"日本応用数理学会2003年度年会講演予稿集. 288-289 (2003)
[Publications] 松久保潤, 林幸雄: "WWW上の効率的なハブ探索法"第9回創発システムシンポジウム予稿集. 84-85 (2003)
[Publications] 遠藤友基, 林幸雄: "SFネットワークモデルにおけるパケット通信シミュレータの試作"第9回創発システムシンポジウム予稿集. 82-83 (2003)

2003 Fiscal Year Annual Research Report

WWWの構造特徴を利用した動的な情報空間の構築法

Principal Investigator

林 幸雄 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 助教授 (70293397)

Research Products

[Publications] Y.Hayashi, M.Minoura, J.Matsukubo: "Oscillatory epidemic prevalence in growing scale-free networks"Physical Review E. 69. 06112-1-06112-8 (2004)

[Publications] J.Matsukubo, Y.Hayashi: "Efficient method for collecting useful Web pages with the feature of the Web structure"Proc.of the 9th AROB. 2. 575-578 (2004)

[Publications] Y.Hayashi: "Epidemic SIR dynamics on scale-free networks"Proc.of the Int.Symp.on Dynamical Systems Theory and Its Applications to Biology and Environmental Sciences. 79 (2004)

[Publications] Y.Hayashi: "Optimal Topological Structure in Social, Technological, and Biological Networks"Proc.of International Symposium on Discrete Algorithms and Optimization. Abstract. 4 (2004)

[Publications] Y.Hayashi: "Efficient Load Balancing by Adaptive Bypasses for the Migration on the Internet"Lecture Note in Computer Sciences. 2658. 257-266 (2003)

[Publications] 林 幸雄: "ヘテロな分散システムの負荷均一化の最適解"電子情報通信学会論文誌A. J86-A 10. 1075-1081 (2003)

[Publications] 林 幸雄, 箕浦 正人, 松久保 潤: "ネットワーク成長によるメール型ウィルスの再流行と重点的なハブの免疫化の効果"情報処理学会論文誌. TOM9 44. 1234-1244 (2003)

[Publications] 林 幸雄: "成長するネットワークの生態学"情報論的学習理論ワークショップ予稿集 オーガナイズドセッション. 17-24 (2003)

[Publications] 林 幸雄: "ネットワーク生態学入門 -経済,社会インフラ,生物における共通構造-"第9回 創発システムシンポジウム予稿集 チュートリアル講演. 9-14 (2003)

[Publications] 藤井 速人, 林 幸雄: "非営利団体(NPO)とのミスマッチ問題に対するXML検索支援システム"情報処理学会研究報告. GN-51. 31-36 (2004)

[Publications] 遠藤 友基, 林 幸雄: "SFネットワーク構造がパケット輸送に与える影響について"情報処理学会研究報告. MPS-48. 15-18 (2004)

[Publications] 松久保 潤, 林 幸雄: "WWW上の効率的なハブ探索法の提案と実装"情報処理学会研究報告. MPS-46. 25-28 (2003)

[Publications] 林 幸雄: "コンピュータウィルスの再流行と絶滅のメカニズム"日本応用数理学会2003年度年会講演予稿集. 288-289 (2003)

[Publications] 松久保 潤, 林 幸雄: "WWW上の効率的なハブ探索法"第9回 創発システムシンポジウム予稿集. 84-85 (2003)

[Publications] 遠藤 友基, 林 幸雄: "SFネットワークモデルにおけるパケット通信シミュレータの試作"第9回 創発システムシンポジウム予稿集. 82-83 (2003)

林幸雄北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 助教授 (70293397)

[Publications] 林幸雄: "ヘテロな分散システムの負荷均一化の最適解"電子情報通信学会論文誌A. J86-A 10. 1075-1081 (2003)

[Publications] 林幸雄, 箕浦正人, 松久保潤: "ネットワーク成長によるメール型ウィルスの再流行と重点的なハブの免疫化の効果"情報処理学会論文誌. TOM9 44. 1234-1244 (2003)

[Publications] 林幸雄: "成長するネットワークの生態学"情報論的学習理論ワークショップ予稿集オーガナイズドセッション. 17-24 (2003)

[Publications] 林幸雄: "ネットワーク生態学入門 -経済,社会インフラ,生物における共通構造-"第9回創発システムシンポジウム予稿集チュートリアル講演. 9-14 (2003)

[Publications] 藤井速人, 林幸雄: "非営利団体(NPO)とのミスマッチ問題に対するXML検索支援システム"情報処理学会研究報告. GN-51. 31-36 (2004)

[Publications] 遠藤友基, 林幸雄: "SFネットワーク構造がパケット輸送に与える影響について"情報処理学会研究報告. MPS-48. 15-18 (2004)

[Publications] 松久保潤, 林幸雄: "WWW上の効率的なハブ探索法の提案と実装"情報処理学会研究報告. MPS-46. 25-28 (2003)

[Publications] 林幸雄: "コンピュータウィルスの再流行と絶滅のメカニズム"日本応用数理学会2003年度年会講演予稿集. 288-289 (2003)

[Publications] 松久保潤, 林幸雄: "WWW上の効率的なハブ探索法"第9回創発システムシンポジウム予稿集. 84-85 (2003)

[Publications] 遠藤友基, 林幸雄: "SFネットワークモデルにおけるパケット通信シミュレータの試作"第9回創発システムシンポジウム予稿集. 82-83 (2003)