2001 Fiscal Year Annual Research Report
進化的アルゴリズムを用いた非平衡環境における並列的問題解決
Project/Area Number |
13680430
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
狩野 均 筑波大学, 電子・情報工学系, 助教授 (40251045)
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Keywords | 遺伝的アルゴリズム / 非平衡環境 / 経路探索 / セルオートマトン / 地図 |
Research Abstract |
本年度の研究では,自動車用ナビゲーション装置(カーナビ)の経路探索に着目し,その機能を拡張するための手法を開発した.カーナビの経路探索には,主にDijkstra法が用いられているが,目的地までの途中に不特定の立ち寄り地(経由地)が複数箇所ある場合の経路探索に関しては,殆ど検討されていない.これは,例えば,目的地に到着する前にどこかのレストランとガソリンスタンドに寄っていきたいが,あまり遠回りはしたくないという実際的な要望であるが,Dijkstra法では探索空間が大きすぎて対処できないという問題がある.本手法は,GAの個体集団の他に2つの知識集団を生成し,この知識を個体に適用する手段として感染演算子を導入するものである.知識の集団として,主要道路の集団と立ち寄り候補地の集団を生成し,感染演算によって,運転の快適性の向上と立ち寄り機能の実現の両方を達成するところに特徴がある.感染演算子に関しては,ウイルス進化論に基づくGAとして既に提案されているが,これらは,ベンチマーク問題を対象としており,実用的な問題への適用はまだ検討されていない.従って本研究の課題は,広域の実用地図を対象とした立ち寄り経路探索に適した感染演算子の提案とその有効性の評価である. また、実際のカーナビで用いられているナビ研S規格地図を用いて道路交通シミュレーションを行い、自然渋滞を時系列的に発生させ、これを用いて動的経路探索アルゴリズムを評価するシステムを開発した。道路交通モデルとしては、流体モデル、車追従モデル、セルオートマトン(CA)モデルが提案されているが、本研究では、Nagel等が提案したCAによる多速度モデルを用いた。更に、交差点モデル、車線変更モデルを提案し、実際の道路網に近いかたちでシミュレーションを行う事ができるようにした。
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[Publications] 小塚英城, 狩野均: "Traffic Flow Simulation using Cell Automata under Non-equilibrium Environment"Proc. of IEEE International Conference on Systems, Man, and Cybernetics(SMC'2001). 1341-1345 (2001)
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[Publications] 狩野均: "遺伝的アルゴリズムを用いたカーナビのための経路案内方式"情報処理学会 高度交通システム研究会 資料. (印刷中). (2002)
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[Publications] 狩野均: "知識の集団を用いたGAによる不特定な立ち寄り地を含む経路探索"人工知能学会 論文誌. 17巻2号. 145-152 (2002)