2001 Fiscal Year Annual Research Report
複雑系の逆問題における人工知能を用いた非線形状態方程式の自動推定
Project/Area Number |
13680449
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡本 正宏 九州大学, 農学研究院, 教授 (40211122)
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Keywords | 逆問題 / 遺伝的アルゴリズム / 数値最適化 / 遺伝的プログラミング / 遺伝子ネットワーク / 人工知能 / 複雑系 / 生体内化学反応系 |
Research Abstract |
システムの動的解析を行うとき、系の内部構造(システム要素間の相互作用)が明らかな場合は、一般質量作用則(Generalized Mass Action Law)に基づく微分方程式表記法が広く用いられている。しかし、遺伝子ネットワークやカオス系のように複雑系の相互作用はかなり多くの場合が不明瞭であり、系を構成する状態変数の値の時間的観測データから内部構造を推定しなければならない。本年度は、遺伝的プログラミングを基本とする微分方程式構造の自動導出と遺伝的アルゴリズムを基本とする実数パラメータ最適化法を組み合わせた非線形状態方程式の自動推定システムの設計を行った。すなわち、四則演算のオペレータとシステム要素シンボルを組み合わせた一般質量作用則に基づく連立非線形微分方程式の各項の骨格構造を遺伝的プログラミングで導出させ、そこに含まれる係数パラメータ値を遺伝的アルゴリズムで推定する。各世代で生成される個体(連立微分方程式系)の評価は、観測データとの累積相対二乗誤差の逆数(以下、適応度)で行う。探索の初期段階では遺伝的アルゴリズムは用いず、係数部分は固定化し、微分方程式の骨格構造の変化のみで適応度を上げるようにする。進化の途中で適応度がある程度高い個体については、各項の係数パラメータ値の最適化を遺伝的アルゴリズムを用いて行い、適応度の更なる上昇を図るようにする。遺伝的アルゴリズムでは、通常広く用いられているSimple Genetic Algorithm法を用いず、これまでの我々の研究で探索効率がよいことが明らかになっている世代交代モデルMGG法と新しい交叉法UNDX法を組み合わせた手法を採用する。現在、プログラムコーディングはほぼ終了しており、次年度より、開発したプログラムを用いて、複雑系の逆問題へチャレンジする予定である。
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[Publications] Maki, Y. et al.: "Development of a system for the inference of large scale genetic networks"Pacific Symposium on Biocomputing '01. 446-458 (2001)
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[Publications] Ueda, T., Koga, N., Okamoto, M.: "Efficient numerical optimization technique based on real-coded genetic algorithm"Proc. of Intl. Workshop on Genome Informatics 2001. 451-453 (2001)
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[Publications] 岡本正宏: "バイオインフォマティクス研究における情報科学的解析の進展:遺伝子ネットワーク構築と代謝経路解析を例として"バイオサイエンスとインダストリー. 60・2. 83-88 (2002)
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[Publications] Ueda, T., Koga, N., Ono, I., Okamoto, M.: "Efficient numerical optimization technique based on real-coded genetic algorithm for inverse problem"Proc. of 7th. Int. Symp. on Artificial Life and Robotics (AROB 7th '02). 1. 290-293 (2002)