2001 Fiscal Year Annual Research Report
人間の触知覚特性を利用した素材感を提示可能な仮想空間インタフェースに関する研究
Project/Area Number |
13680478
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
藤田 欣也 東京農工大学, 工学部, 助教授 (30209051)
|
Keywords | 人工現実感 / 触覚 / 硬さ / 仮想現実感 / 接触面積 / 指 |
Research Abstract |
平成13年度は,柔らかい物体に触れたときの感触を表現可能な人工現実感システムの開発を目標に,バイオサイバネティクス研究から得られた知見に基づく,従来と異なる物体柔らかさの提示方法である「指先接触面積制御による柔軟物接触時の指先埋没感の表現」を提案するとともに,装置を試作し,柔らかさ提示能力を実験的に実証した. 試作したシステムは,仮想物体の柔らかさを表現する装置と使用者の指先との接触力を検出し,計算機を用いて動的に接触面積を制御するものである.試作したシステムでは,指先と装置の接触力がロードセルによって検出され,あらかじめ計測し計算機内に構築した柔らかさモデルにもとづいて接触面積が算出され,指先と接触する柔らかさ制御装置内の液体残留料が計算機制御された電動ポンプによって制御される.柔らかさ提示装置は,残留液量に応じてゴム膜が上下し,指先との接触面積が制御される構造となっており,これによって接触面積制御が実現される.システム試作に際しては,新規に導入したワークステーションを用いることで,制御間隔1ms以下が実現された. さらに,提案する方式による柔らかさ提示能力検証のため,被験者10名を用いた心理物理実験をおこなった.実験結果では,被験者が自ら指先を動かして装置に触れる能動触(アクティブタッチ)課題では,4段階の柔らかさの相違を識別する相対識別実験での識別率は97%,実物体と比較する絶対識別実験での識別率は88%との結果が得られた.また,装置が動いて被験者の指先に触れる受動触(パッシブタッチ)課題においても,相対識別実験で94%,絶対識別実験で76%の識別率が得られた.これらの結果より,接触面積制御による柔らかさ表現の可能性が実証された.
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Kinya Fujita, Hisayuki Ohmori: "A New Softness Display Interface by Dynamic Fingertip Contact Area Control"Proceedings of World Multiconference on Systemics, Cybernetics and Informatics. XI. 78-82 (2001)
-
[Publications] 藤田欣也: "弾性物体の硬さ認知のためのつまみ動作における制御則"電子情報通信学会論文誌D-II. (掲載予定).