進化型エージェントアーキテクチャによる組織構造に基づいたセキュリティの実現

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13680490
• Research Institution: Keio University
• Principal Investigator: 飯島 正 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (20245608)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 大蒔 和仁 産業技術総合研究所, 情報処理研究部門, 研究部門長 ; 細部 博史 国立情報学研究所, 実証研究センター, 助教授 (60321577) ; 本位田 真一 国立情報学研究所, 知能システム研究系, 教授 (70332153)
• Keywords: セキュリティポリシ / ネットワーク管理ポリシ / 進化型アーキテクチャ / エージェント / 交渉 / 競合解消 / プロセス代数 / 検証

Research Abstract

本年度は,前年度までにおこなってきた研究成果の統合を中心に,ソフトウェア・ツール作成を目指して,作業をおこなってきた.平成13年度に構築したポリシ記述言語とワークフロー記述言語の洗練化と,ポリシに基づく交渉のメカニズムに関して基礎を検討した.本研究計画は平成14年度科学研究費補助金(特定領域研究(2)「仕様/環境の変化に対応するソフトウェアのためのエージェント指向開発方法論の構築」(代表者:飯島正;課題番号:14019086)とリンクしており,本研究計画が基礎となるアーキテクチャ(振る舞い(ワークフロー)の記述とポリシの記述との関連付けなど)を担当し,もう一つの研究計画がそのための開発方法論(ポリシの抽出など)を受け持っている.そのアーキテクチャにおいても,このポリシに基づく交渉メカニズムは,競合解消のために機能するものとなる.
ポリシに基づくエージェント間交渉に先立って,ポリシの抽出と適切な配置・管理が必要であるが,そのためにロールに基づく方法論の適用を試みることができた.これによって,実行メカニズムと方法論の両方をバランスよくリンクすることができた.
前年度の検討用事例では,ポリシ解析のために強力な(カラー)ペトリネットを使ったアプローチを試みたが,(カラー)ペトリネットは記述力は非常に高く,量的な面も取り扱うことができるが,その一方で一部の検証能力において制限が強くなってしまう面がある.そこで,記述力は制限されるが多彩な検証能力に期待できるプロセス代数を用いた方法に関しても,前年度に引き続き,調査研究をおこなった.
今年度は,前年度までの研究成果を統合しソフトウェア・ツールを作成することを目的としてきたが,そうしたツールと同時に,セキュリティポリシやネットワーク管理ポリシを記述し,エージェントが取り扱うためのグラフィカル・ツールの構築などもあわせて行った.
本研究で得られた成果は,平成16年度以降,ポリシに基づくセキュリティや,ネットワーク管理といった分野に適用していく予定である.

Research Products

• [Publications] 飯島 正, 森 信胤, 近藤 誠一: "ネットワークエージェント技術を用いた業務指向分散システム管理の構想"電子情報通信学会技術研究報告[知能ソフトウェア工学]. Vol.103, No.603. 41-46 (2004)