2001 Fiscal Year Annual Research Report
社会経済相互作用データのための一般化オッズ比分解法の開発
Project/Area Number |
13680513
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
樋口 洋一郎 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科(社会工学専攻), 教授 (60198992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島根 哲哉 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助手 (90286154)
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Keywords | オッズ比分解法 / 社会経済相互作用 / 空間的相互作用 / 多次元尺度構成法 / パネル型空間的自己回帰分析 / 人口移動 / バイアス縮減 |
Research Abstract |
「社会経済相互作用データのための一般化オッズ比分解法の開発」と題した当研究において、平成13年度は以下の研究に着手し、成果を得た。 1.オッズ比分解法の現時点における問題点を整理し、展望を明らかにした。 2.社会経済的相互作用データにおいて対角要素、つまり対自己相互作用データ、あるいは自地域内相互作用データ、が存在するケース: このデータが存在している場合、いままでは「このデータを無視して分析すべきである」、空間的相互作用データの場合、「県内移動は転職を伴わず、県間移動は転職を伴う」ため区別しなければならないと学会発表でコメント受けてきた。しかし、この基準は県境を越えて連続的に変化するものであり、「転職を伴う移動」だけを対象にすることは都道府県のクラスターを固定的に設定しなければならず、研究者の恣意性が混入する。また、オッズ比分解法においては、県間においてどのぐらいの割合が転職を伴う移動であるか、は当該県の間の関係性として抽出される、と考えられる。そして、「多次元尺度構成法」の最近の成果から"additive constant"'の概念を用いれば対角要素の特殊性をモデルに導入できることが判明した。以上の理由で、対角要素データ(県内移動)の発生過程を、非対角要素データ(県間移動)のそれと明確に区別し定式化した方法を考案した。 3. 2.の場合の応用として、都道府県間人口移動1954-2000のデータを対象とし、全体調整項、放出性、吸収性、関係性、誤差への分解を完了し、放出性、吸収性の要因分析をパネル分析で行った。また、パネル型空間的自己回帰モデルを考案し、放出性、吸収性の要因分析の精緻化を行うと同時に、パネル型空間的自己回帰分析の問題点を明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 樋口洋一郎: "オッズ比分解法の問題点と展望"社会工学ディスカッションペーパー. 02-01. 1-13 (2002)
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[Publications] 島根哲哉, 樋口洋一郎: "モンテカルロシミュレーションによるORDECの次元決定手続きの評価"社会工学ディスカッションペーパー. 02-02. 1-10 (2002)