2001 Fiscal Year Annual Research Report
定跡を組み入れたジョブショップのメイクスパン最小化技法の開発
Project/Area Number |
13680522
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
森川 克己 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10200396)
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Keywords | スケジューリング / ジョブショップ / メイクスパン / 人間スケジューラ / 定跡 |
Research Abstract |
研究課題名にある「定跡」とは,将棋で用いられる言葉であるが,本研究は,スケジューリングの作業が,将棋を指すことと似ている部分があると考えたことが出発点となっている.ジョブショップのメイクスパン最小化とは,すべてのジョブを処理するために要する時間が最小となるスケジュールを求めることを目的としている.時間軸に沿って早い時刻から徐々にオペレーションを割り付けていく場合,序盤から中盤にかけては,割り付け可能なオペレーションそれぞれに対し,将来への影響を解析的に精度良く先読みすることが難しい.本研究はこの難しさを定跡によって緩和させようとする試みである. 本年度は,人間スケジューラの基本的な定跡を抽出するための実験を行った.この際,将棋盤に対応するものとして,我々が開発した対話型スケジューリング支援システムを使用した.人間スケジューラがオペレーションの処理順序の入れ替えによって,初期スケジュールをより良いものへと変更していく際に,どのような情報に着目しているのかを,変更行動の観察ならびにインタビューから考察した.その結果,(1)ネックとなる機械での遊休,(2)クリティカルパス上のオペレーション,(3)各ジョブの処理の流れや停滞状況,などに特に注意していることが明らかとなった.現在は,これらを手続き化し,人間スケジューラの判断をどの程度まで模倣できるかの確認を行いつつある.実験ではまた,人間スケジューラがアクティブスケジュールの生成法に基づいてオペレーションを割り付けていく場合,複数の候補の中からどのような基準で1つのオペレーションを選び出すのかについても調査を行い,先と同様な判断基準が認められた.
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