確率微分方程式と非線形DP方程式による信頼性システムの解析

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13680523
• Research Institution: The University of Tokushima
• Principal Investigator: 大橋 守 徳島大学, 総合科学部, 教授 (50141924)
• Keywords: 確率微分方程式 / DP方程式 / 信頼性システム

Research Abstract

1 本研究の目的は
(1)線形システムの係数がマルコフ連鎖に従うとき,確率線形システムの安定条件を明らかにする.
(2)確率線形システムが可安定であるとき,適当な評価関数を最適にする最適制御方策と非線形DP方程式の粘性解との関係を明らかにする.
(3)ランダム・パラメータを含む確率微分方程式の解を求める数値計算法を確立し,信頼性システムの確率制御問題を解く実用的なアルゴリズムを作る.
2 今年度は線形システムのランダム・パラメータがマルコフ連鎖に従うシステムをマルコフ過程で定式化し,システムの確率的安定性について調べた.特に,指数型マルチンゲールと確率微分方程式の「ずれの変換」との関係について研究した.マルチンゲールの指数関数がマルチンゲールとなる指数型マルチンゲールを用いて測度変換を行うと確率微分方程式のドリフト項か変化する.この方法を線形システムのランダム・パラメータがマルコフ連鎖に従うシステムの解析に利用する見通しを立てた.
3 ランダム・パラメータがマルコフ連鎖に従うシステムの簡単な例として「ランダム経路制御を考慮した待ち行列ネットワーク」の安定性について研究し,その成果を数理解析研講究録「あいまいさと不確定性を含む状況の数理的意思決定」に発表した.

Research Products

• [Publications] 大橋 守, 大村 泰宏: "ランダム経路制御を考慮した待ち行列ネットワーク"数理解析研講究録 「あいまいさと不確定性を含む状況の数理的意思決定」. (in press). (2002)
• [Publications] 大橋 守, 伊藤利明, 中山慎一: "改訂版 これならできる情報リテラシー"学術図書出版. 227 (2001)