2002 Fiscal Year Annual Research Report
次の南海地震津波来襲時における人的被害最小化に関する研究
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13680545
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
村上 仁士 徳島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50027257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉田 健悟 徳島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40325246)
上月 康則 徳島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60225373)
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Keywords | 次の南海地震津波 / 南地震津波の被害予測 / 津波による人的被害予測 / 四国の津波被害予測 / 瀬戸内海の津波 / 津波数値シミュレーション / 津波ハザードマップ / 津波被害軽減対策 |
Research Abstract |
次の南海地震の発生確率は,30年以内に40%,50年以内に80%,地震規模M8.4-8.5といわれ,東南海・南海道沿岸一帯の大津波による被害が懸念されている. 本研究は,四国沿岸域集落の津波被害,特に避難行動に着目して人的被害を最小にする方法を示し,併せて四国全域の津波危険度を評価しようとするものである.本研究での対象地震は,安政南海地震M8.4を用いている. 本年度は,(1)瀬戸内海の津波資料・文献調査を行い,(2)瀬戸内海に進入する津波の特性を調べる前に,まず豊後・紀伊水道における津波の固有振動特性を明らかにした.その後,瀬戸内海における津波伝播特性(津波到達時間・津波高の空間分布)・流速特性を調べ,諸島群のそれらに及ぼす影響の概要を把握した.(3)一方,これまで詳細に津波防災について調査してきた高知県土佐市宇佐では,水門,陸閘などの門扉の開閉による陸尉記侵入の遮蔽効果を考察し,3波目では門扉が閉鎖されても浸水し,かえって内水排除ができにくくなるなど,門扉の一律操作ではなく地域に合わせた開閉の制御が必要であることを指摘した.(4)同宇佐では,1854年の安政南海地震津波時の地形と現況地形の津波侵入特性を比較し,防潮堤等の防災施設の津波制御効果と人的被害軽減効果を定量的に評価した.(4)さらに,津波来襲時に指定の避難場所に到達可能かどうかについては,地震による家屋の倒壊も考慮した避難の問題点を指摘し,徳島県海部郡浅川を例にとり従来の避難避難経路の変更も考慮すべきことを具体的に示した.
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[Publications] 志方健仁: "人的被害規模に及ぼす津波防災施設の影響に関する考察"歴史地震. 第18号(印刷中). (2003)
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[Publications] 杉本卓司: "津波に対する水門・陸間の有効活用とその効果に関する考察"海岸工学論文集. 第49巻. 306-310 (2002)
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[Publications] 佐藤広章: "水道水源としての取水に及ぼす津波遡上の影響"環境工学研究論文集. 第39巻. 185-190 (2002)
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[Publications] 吉田和郎: "紀伊水道および豊後水道における津波の伝播・応答特性"海岸工学論文集. 第49巻. 296-300 (2002)
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[Publications] 佐藤広章: "地震による家屋の倒壊を考慮した津波来襲時における避難に関する一考察"海岸工学論文集. 第49巻. 311-315 (2002)