2002 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ領域内粒子の空間分布の超小型質量分析計を用いた可視化に関する研究
Project/Area Number |
13680552
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伴野 達也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (70189736)
|
Keywords | 高密度プラズマ / プラズマパラメータの空間分布 / 超小型質量分析器 / 表面波モード / 両極性拡散 |
Research Abstract |
1.超高真空対応の円筒型放電容器に、マイクロ波電力投入用に通常のヴューポートを取り付けて、リング状スロットから表面波モードのカップリングによってプラズマを生成することができた。 2.ここでは制御されたアルゴンガス流と窒素ガス流を導入し、高密度プラズマのプローブ計測から電子の密度の空間分布・温度の空間分布・エネルギー分布関数の空間分布を求めることができた。 3.同時にプラズマからの発光分光計測を行ない、窒素ガス流量を徐々に変化させた際に、窒素原子・窒素イオン・窒素分子イオンがこれに比例して増加することを観測した。一方でこの間プラズマは自らある一つの表面波モードに固定しているので、プラズマ密度に大きな変化がなく、この結果を作り出すためには電子のエネルギー分布関数の5-10eVのポピュレーションを下げ、1eV以下のポピュレーションを増加させて自らを調節していることが判明した。 4.プラズマ密度の空間分布から、表面波モードプラズマの荷電粒子が両極性拡散に従っていることを見い出した。この拡散係数は、非荷電粒子の拡散係数の10倍から100倍になるため、確かに均一性は高いように思われる。逆に中性ラジカルはもっぱら表面波が局在している領域に生成され、拡散も効果的にはできない圧力範囲なので、やはり表面波が存在する領域から拡散できない。 5.こういったイオンやラジカルの空間分布を超小型質量分析計を用いて測定することを試みた。しかし、放電を維持するために必要な圧力が超小型質量分析計の動作できる上限を越えており、定量性を期待できない。イオンの分布は確かに両極性拡散であり、表面波の局在する位置から30cmの位置でもプラズマから発生するイオンを区別して検出できた。 6.更に、より低圧力下で高密度なプラズマを一様に生成する目的で用意した別の放電容器に非平行4直線スロットから石英窓を通してマイクロ波を投入し、ほぼ純粋な表面波モードを達成した。しかしまだ放電を維持するために必要な圧力が超小型質量分析計の動作できる上限を越えており、弱い外部磁場を導入している。
|
Research Products
(1 results)