2002 Fiscal Year Annual Research Report
分子動力学シミュレーションによる強結合ダストプラズマの統計力学的性質の解明
Project/Area Number |
13680556
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
浜口 智志 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (60301826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若谷 誠宏 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (00109357)
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Keywords | ダストプラズマ / 湯川系 / 強結合プラズマ / クーロン結晶 / 微粒子 / 一般化された流体力学 / 輸送係数 / 動的相関 |
Research Abstract |
固体微粒子(いわゆる塵)を含むプラズマは自然界にも、人工的に作られるプラズマにおいても、広く存在する。例えば、半導体製造過程で使われるプラズマプロセス装置中に発生する塵状荷電微粒子は、半導体製品の歩留まりを下げるなどの問題(プラズマ汚染)を引き起こす。本研究では、プラズマ・ダスト系の集団運動における動的性質(波動、拡散、散逸、揺動等)を分子動力学(MD)シミュレーションを用いて調べて、系の統計力学的性質を解明することにより、「一般化された流体力学方程式」のような巨視的物理量との対応関係をつけることを目的とする。初年度に、分子動力学シミュレーションの結果から、湯川系の動的ストレス相関関数を求める事により、グリーン・久保の公式を用いて、強結合から弱結合にいたる様々な条件下でそのシアー粘性係数を決定したが、それと同様の方法で、本年度は熱伝導係数を評価した。さらに、これらの輸送係数は、強結合条件下においては時間・空間においては非局所的であるため、そのメモリ関数を用いて記述できるが、本研究ではそれらのメモリ関数の時間および波数依存性を決定した。特にメモリ関数の減衰時間定数の波数依存性が無視できる条件下では、系の巨視的な振る舞いは「一般化された流体力学方程式」で記述されるが、本研究により、一般化された流体力学方程式に現れる各種係数の熱力学パラメータ(系の温度と粒子間の遮蔽距離)依存性が決定された。これにより、長波長・低周波領域における現象に関しては、非平衡条件下、特に、プラズマ流がある場合のクーロン結晶や強結合クーロン流体の動的性質を、巨視的方程式を解くことにより解析できるようなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Saigo, S.Hamaguchi: "Shear viscosity of strongly coupled Yukawa systems"Physics of Plasmas. 9. 1210-1216 (2002)
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[Publications] 浜口智志: "強結合ダストプラズマ"プラズマ・核融合学会誌. 78. 313-319 (2002)
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[Publications] T.Saigo, A.Wierling, S.Hamaguchi: "Relaxation time of strongly coupled Yukawa systems"Proceedings of the 16th International Conference on Phenomena in Ionized Gases. (発表予定). (2003)
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[Publications] A.Wierling, T.Saigo, S.Hamaguchi: "Dynamic properties of Yukawa plasmas at moderate coupling"Proceedings of the 11th International Workshop on the Physics of Non-Ideal Plasmas. (発表予定). (2003)