2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680566
|
Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
佐藤 哲也 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 教授 (80025395)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高丸 尚教 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 助手 (20241234)
田村 祐一 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 助手 (50311212)
|
Keywords | ダイナモ / シミュレーション / MHD / 磁場逆転 |
Research Abstract |
地球など種々の天体で観られる双極子磁場構造の生成・維持がどのような気候で説明されるかは長年の謎であった。近年、大規模シミュレーションによる回転球殻における磁気流体ダイナモ作用の研究が精力的に行われ、その機構の理解が飛躍的に深まっている。本研究では、特に、地球磁場でよく知られている双極子磁場極性の間欠的反転という観測事実に着目し、この現象の計算機上での再現とその特性解明の課題に取り組んだものである。 本研究では、回転球殻ダイナモ作用に関する計算機シミュレーションにおいて先進的な成果を挙げてきたいわゆるKageyama-Satoモデルに基づく研究を発展させている。得られた結果は、以下の6点である。 1)定常状態においては、双極子磁場成分が他の多重極成分と比べて卓越した磁場成分である。そして双極子成分は極性の向きに関して2つの安定状態を持つ。 2)運動・磁場の全エネルギーは高低2つの準安定エネルギー状態を完結的に遷移する。低エネルギー状態では熱対流渦柱のモード数は安定であるが、高エネルギー状態ではモード数が時折変化する。 3)双極子磁場の極性反転は、高エネルギー状態はしばらく続くときのみ発生する。 4)極性反転直前に、四重極磁場成分が、一時的に双極子磁場成分よりも卓越し、双極子という奇関数構造が、四重極という偶関数構造を経由して反対極性の双極子構造へと遷移する性質を持つ。 5)反転に際して、対流パターンの赤道面に関する対象性に破れが生じ、整った渦柱構造の破壊から反転構造への遷移へと発展するきっかけとなる。 6)物理パラメータの中で電気抵抗がその特性に深く関与していることが見出せた。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] J.Li, T.Sato, A.Kageyama: "Repeated and Sudden Reversals of the Dipole Field Generated by a Spherical Dynamo Action"Science. 295 5561. 1887-1890 (2002)
-
[Publications] T.Tamura, A.Kageyama, T.Sato, S.Fujiwara, H.Nakamura: "Virtual reality system to visualize and auralize numerical simulation data"Computer Physicss Communications. 142. 227-290 (2001)