2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680570
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
矢木 雅敏 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (70274537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 裕志 山口大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (10126881)
伊藤 早苗 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (70127611)
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Keywords | 新古典テアリングモード / 非線形励 / 高ベータプラズマ / 4場モデル / 磁気島 / 多スケール乱流 / 確率論的励起 |
Research Abstract |
高ベータトカマク実験で観測されている「新古典テアリングモード」と呼ばれている磁気島の発生原因の物理機構の解明、その制御法の確立をめざし、理論モデルの構築およびシミュレーションコードの開発研究を行っている。新古典テアリングモードが非線形的に励起されるためには磁気島の幅がある閾値を超えることが必要であり(island seedの問題として注目されている)、その値を解析的に評価することが話題となっているが直接シミュレーションによる検証はないので1)流体モデルに基づき、解析的評価の妥当性を数値的に検証する。2)island seedの外的要因としてsawtoothによるトリガーが候補として考えられるが、流体モデルに基づく数値シミュレーションによる検証を進めている。 本年度は、4場モデルを用いて新古典テアリングモードの線形成長率を再評価した。特に、3場モデルには含まれていない。イオンの新古典粘性による安定化効果、および磁力線方向の圧縮性の効果に注目した。衝突周波数依存性について解析した詰果、3場モデルではすべての衝突周波数領域でテアリングモードは不安定であるのに対し、4場モデルではbanana-plateau領域に相当する低い衝突周波数領域において、テアリングモードが安定化される。安定化機構としては、イオンの新古典粘性効果、有限効果、磁力線平行方向の圧縮性の複合効果と考えられる。また、回転周波数は両モデルともイオンのドリフト周波数程度であることがわかった。この結果は論文としてまとめ、日本物理学会ジャーナル誌へ投稿した(Journal of Physical Society of Japan 57,No.2(2003)掲載予定)。 また、テアリングモードに対する電子の慣性効果についても研究を行っているが、流体モデルによる非線形シミュレーションにより非線形領域でKelvin-Helmholtz不安定性が励起されることを見いだした。この結果は第19回核融合エネルギー会議において発表した(H.Naitou, T.Kobayashi, M.Yagi, T.Matsumoto, S.Tokuda and K.Kishimoto, Kelvin-Helmholtz Instability and Kinetic Internal Kink Modes in Tokamaks, 19th IAEA Fusion Energy Conference, IAEA-CN-94/TH/P2-09 (Lyon, France,14-19 October 2002).)。 さらに新古典テアリングモードの非線形シミュレーションも開始した。今年度はシングル・シティーの場合の計算を行ったが、バナナ・プラトー領域では衝突粘性がかなり小さくなるため、分解能を得るために径方向のメッシュを十分多くとる必要があること等が明らかになった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] A.Furuya, S.-I.Itoh, M.Yagi: "Effect of micsoscopic turbulence on magnetic island"Journal of the Physical Society of Japan. 71・5. 1261-1267 (2002)
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[Publications] A.Smolyakov, M.Yagi, Y.Kishimoto: "Short Wavelength Temperature Gradient Driven Modes in Tokamak Plasmas"Physical Review Letter. 89・12. 125005-1-125005-4 (2002)
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[Publications] M.Kawasaki, A.Furuya, M.Yagi, K.Itoh, S.-I.Itoh: "Transition probability to turbulent transport regime"Plasma Physics and Controlled Fusion. 44・Suppl5A. A473-A478 (2002)
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[Publications] T.Matsumoto, S.Tokuda, Y.Kishimoto, H.Naitou: "Generation of radial electric field induced by collisionless internal kink mode with density gradient"PHYSICS OF PLASMAS. 10・1. 195-203 (2003)
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[Publications] 伊藤早苗, 矢木雅敏: "トカマク概論"九州大学出版会. 332 (2003)