2002 Fiscal Year Annual Research Report
地下水条件下でのウランと岩石風化生成コロイドとの反応機構解明のための新手法の開発
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13680585
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山崎 浩道 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00166654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松山 成男 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70219525)
石井 慶造 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00134065)
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Keywords | 荷電粒子励起X線分光 / ウラン / 定量分析 / 金属含水酸化物 / コロイド / 収着挙動 / 化学状態分析 / 分光結晶 |
Research Abstract |
1)金属含水酸化物コロイドの調製とその化学的性質の検討に関しては、岩石風化生成物という観点からAl, SiとFeの含水酸化物コロイドに注目し、電位差滴定(現有する自動的定装置を使用)による検討を種々の溶液条件で行った結果、含水酸化物コロイドの重合度や化学的活性が予め存在するコロイドを核にしてpHで著しく変化するが、浅地層地下水条件で最も化学的に安定なUO^<2+>_2に対する金属含水酸化物の収着特性は、溶液中のアルカリ金属やアルカリ土類金属イオンに対するものとは異なり、Co^<2+>,Eu^<3+>のような遷移金属イオンに対する特異的な収着挙動と類似していることを明らかにした。 2)ウランの金属含水酸化物コロイドへの収着挙動に関するPIXE分析による検討に関しては、粒子態及び溶解種としてのナノグラムレベルのウランがPIXE分析によって迅速に定量できることを明らかにした。更に、粒子態については、X線分光的にウランと近い発光スペクトルを有するPbを用いて、Al, Si, Feの含水酸化物をppm濃度で含む河川水試料でのコロイド収着成分中のPbの定量下限値が1ppbと十分な感度を有することを確認した。また、X線分光的にウランのPIXE定量の妨害となる元素の影響については、ウランの選択的濃縮分離とパターン解析に基づくスペクトル解析によって5ppbの極希薄な濃度まで正確に定量できることを確認した。 3)PIXE法による元素の化学状態分析の検討に関しては、Fe等の重元素の化学状態分析を目的とした70MeV^<12>C^<3+>照射によるK_β/K_αX線強度の測定法とAl, Si等の軽元素の化学状態分析を目的とした波長分散型PIXEシステムの構築を行った。^<12>C^<3+>照射によるPIXE法は、Cr, Mn, Feの3d元素のK_β/K_αX線強度がこれらターゲット原子の化合物としての結晶構造の対称性と3d電子の結合軌道への関与の程度を反映して変化することが、10-80μgの試料を用いて15分程度のビーム照射で明らかにできることから、重元素の化学状態分析法として有効であることが確認できた。波長分散型PIXEシステムに関しては、X線エネルギー範囲0.504-2.16keV(5inchフタル酸ルビジウム回折結晶)で0.01Åの分解能を有した装置を開発し、ウラン等の金属イオンを特異的に収着したAl, Si含水酸化物コロイドの化学状態分析に適用した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hiromichi YAMAZAKI: "Analysis of Trace Level Thorium and Uranium in Drainage from a Radioisotope Laboratory by Particle-Induced X-ray Emission"The Journal of Nuclear Science and Technology. (in press). (2003)
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[Publications] Hiromichi Yamazaki: "PIXE Elemental Analysis of Drinking Water Supply"International Journal of PIXE. (in press). (2003)
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[Publications] Mario Rodrigues: "Preliminary Measurements of the Low Energy Detection Efficiency of a Si(Li) Detector for PIXE Applications"International Journal of PIXE. (in press). (2003)
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[Publications] Yukihiro Oishi: "3D Imaging of elemental Distributions using multi-angle RBS 2D Data"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B. (in press). (2003)