2001 Fiscal Year Annual Research Report
確率モデルと環境シミュレータを用いた地球環境変動下の帰化植物の生活史解析
Project/Area Number |
13680597
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
青木 繁伸 群馬大学, 社会情報学部, 教授 (90134527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
可知 直毅 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (30124340)
石川 真一 群馬大学, 社会情報学部, 助教授 (80251015)
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Keywords | 帰化植物 / オオブタクサ / 生活史 / 生長解析 / 光環境 / 温度環境 / 発芽 / 可塑性 |
Research Abstract |
本年度は以下の3点について行った。 1. 実験温室の整備 2. 帰化植物オオブタクサの生活史解析 群馬県内の利根川流域でのオオブタクサの分布調査を行い、現況の確認、今後の分布拡大可能性の推定、侵入・分布拡大の要因のスクリーニングを行った。分布調査の結果、群馬県内利根川中・上流域において31群落が確認された。このうち最大の群落では、ここでは河川敷におよそ4kmにわたって個体密度38本/m2の群落が続き、推定で合計約690万本ものオオブタクサが生育し、約17億個の種子を生産していた。5月〜11月に水上町と伊勢崎市の群落において、オオブタクサ個体を採取して生長解析を行った。この2地点では、気温や立地条件に大きな違いがあるにもかかわらず、夏〜秋の生長速度には有意な差は認められなかったが、伊勢崎市の個体バイオマスは常に水上町のそれの3倍以上あった。こうしたみかけ上の不整合性は、両地における発芽時期の違いに起因していたと考えられる。推定発芽日は、水上で3月中旬、伊勢崎市で1月末と、約1.5ケ月も違っていた。2000年に水上町と前橋市で採取した種子を用いて、発芽の温度特性を解析した。水上採取の種子は30/15℃で発芽率が10%程度、15/7℃では80%程度が発芽した。前橋採取の種子は、いずれの温度設定においても45〜85%と高い発芽率を示した。水上では高温下では発芽しない方向に進化している可能性がある。 3. 実験モデル植物オサバグサを用いた植物生活史の可塑性の解析 可知らが従来より研究材料としているオサバクサを用いて、さまざまな光環境下における植物の生活史の可塑性を解析し、生活史モデルの構築のために必要なパラメータのスクリーニングを行った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ozawa, M., Kudoh, H., Kachi, N.: "Breeding system of Pteridophyllum racemosum Sieb.et Zucc (Papaveraceae)"Plant Species Biology. 16(印刷中). (2001)
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[Publications] Tani, T., Kudoh, H., Kachi, N.: "Light acclimation characteristics of an understory herb, Pteridophyllum racemosum in a wave-regenerating forest"Annuals of Botany. 88. 393-402 (2001)