2002 Fiscal Year Annual Research Report
日本海での二酸化炭素の大気-海洋間フラックスの季節変化に関する研究
Project/Area Number |
13680603
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大滝 英治 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (40033120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 徹 岡山大学, 環境理工学部, 助手 (10304338)
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Keywords | 二酸化炭素 / 渦相関法 / 空力法 / バルク法 / フラックス |
Research Abstract |
2002年7月28日〜8月7日、9月18日〜23日の計19日間.京都大学防災研究所附属大潟波浪観測所の桟橋で大気一海洋間における二酸化炭素交換の観測を行った。観測期間中は天候に恵まれ、昼間の海風は3〜8ms-1、夜間の陸風は1〜3ms-1であった。 本年度の観測で得られた成果は次の通り。渦相関法、空気力学的傾度法、バルク法の3手法で二酸化炭素交換量を測定した。昼間、海風条件下での二酸化炭素輸送量は、渦相関法と空気力学的傾度法では約0.06mgm-2s-1を示した。海洋での二酸化炭素交換量が異なった気象学的測定手法でクロスチェックされたことは、世界で初めてであり、極めて刺激的な観測結果が得られた。これに対して、バルク法は約1/10〜1/100の交換量の値を示した。この測定手法による酸化炭素交換量の相違は、主として、渦相関法と空気力学的傾度法が大気-海洋間の二酸化炭素交換の短い時間応答の変化を測定しているのに対して、バルク法が海流、海水中の化学反応と生物活動の影響等複雑過程の平衡条件を満たすだけの長い時間が必要であることに起因している。大気-海洋間の二酸化炭素交換量を全海域で推定するには船舶観測が避けられない。バルク法が現在まで利用されているのも船舶観測が容易なためである。気象測定器の発達が著しい現在、理論的にしっかりしている空気力学的傾度法がバルク法に取って代わるべきである。今回の研究結果は、空気力学的傾度法を船舶観測に適用する上での問題点が解決されつつあることを示唆している。平成15年度も大潟波浪観測所での観測を充実・継続させ、渦相関法、空気力学的傾度法、バルク法それぞれの長所・短所を明らかにし、その成果を船舶観測に応用させたい。
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Research Products
(1 results)