2001 Fiscal Year Annual Research Report
工業立地に造成された環境保全林の機能と動態に関する研究
Project/Area Number |
13680639
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
原田 洋 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (50107372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 聖哉 国際生態学センター, 研究員 (80311273)
目黒 伸一 国際生態学センター, 主任研究員 (20261141)
持田 幸良 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (60133047)
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Keywords | 環境保全林 / 環境保全機能 / 自然性の回復 / リターフォール / 土壌動物 / 煤塵量 / 林内雨 / 樹幹流 |
Research Abstract |
埋立地に造成された環境保全林の機能と動態を研究するため以下の調査を行なった。 無間伐区と間伐区に10x10mの方形枠を設け、毎木調査を実施し、樹木の成長量を測定した結果、無間伐区には101本、間伐区には60本の立木が存在し、前者では伸長成長、後者では肥大成長をしていた。優占する2種を比較すると、タブノキよりスダジイで成長量が著しかった。 両区に8個ずつ設置したリタートラップより毎月末にリターフォールを回収し、種類別に落葉、落枝、生殖器官の乾重量を測定した。両区とも4〜9月の間では200g以上のリターフォール量があったが、10月以降は減少し、翌年1月までの4ヶ月分を合計しても夏期の1ヶ月分にすぎなかった。 林内雨と樹幹流に含まれる煤塵量は降雨の多い春〜夏期に多く、冬期に少ない傾向を示した。林内雨中・樹幹流中煤塵とも4月より毎月末に回収し測定をしている。 環境保全林の自然性の回復の程度をみるため土壌動物相と鳥類相を調査した。土壌動物の一部は現在、種の同定中であるが、大型土壌動物は15〜17群が出現し、その現存量は平方メートルあたり5.1〜8.9gとなった。 越冬期の鳥類相は11種が記録され、個体数ではヒヨドリが約半数を占め、次いでメジロが多かった。これらの鳥は照葉樹自然林で上位を占める種で、十分な個体数が確保されていることが判明した。 しかし、種類数は都市近郊林に比較して少なく、カラ類やキツツキ類が欠如していた。 現在、上記4項目の調査結果を取りまとめ中である。次年度以降も同項目について継続して調査を行なう予定である。
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