2001 Fiscal Year Annual Research Report
シベリア湿地帯からの温室効果ガス・メタン放出評価のための土壌微生物生態解析
Project/Area Number |
13680640
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
大橋 晶良 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (70169035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 信夫 長岡工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教授 (30193072)
原田 秀樹 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (70134971)
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Keywords | 地球温暖化 / FISH法 / 高感度検出 / メタン / 微生物 / シベリア / DIG抗体 / 土壌 |
Research Abstract |
地球温暖化の原因物質である温室効果ガスCO_2、メタンの加速的な増加が認められている。自然環境中で最も大きなメタン放出源のひとつとして挙げられているのが、自然湿地帯や水田などの自然・人工湿地土壌である。その中でロシア・シベリア湿地帯は広大な面積を有し、そこから発生しているメタンガスの総量は、地球全土からの総メタン生成量のかなりの部分を占めると推定される。このシベリア湿地帯は、地球温暖化が進むと凍土の期間は短くなり、メタンが放出される期間が長くなって、地球温暖化が益々加速するのではないかと大変に心配されている。従って、これらの懸念を明らかにし、対策する必要性があるかどうかを明確にするためには、シベリア湿地帯のメタン放出に関与する微生物群集の動態を解析することが重要となる。 シベリア湿地土壌サンプルにFISH法を適用した場合、極限的な環境に生息している微生物群はRNA含量が少ないために、従来のFISH法では十分な輝度が望めなく、適用はむずかしいことがこれまでの研究で分かった。そこで本研究ではRNA含量が少ない微生物に対しても適用可能な高感度のFISH法を開発し、シベリア湿地帯からの温室効果ガス・メタン放出を評価するための土壌微生物生態を解析することを目的としている。 蛍光標識の代わりに抗DIG-アルカリフォスファターゼ(AP)標識等の酵素をプローブに付加して使用すれば、高感度に微生物を検出することが可能と考えられた。しかし、この手法をリゾチーム処理した大腸菌に適用したが、検出はできるものの、高感度までには至らなかった。また、メタン生成細菌などへの適用に対してプローブの浸透性が問題であり、凍結・融解法などの種々の方法で試みたものの、まだプローブを浸透させるまでには至っていない。
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