2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680648
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
森村 茂 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (20230146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木田 建次 熊本大学, 工学部, 教授 (00195306)
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Keywords | コラーゲンペプチド / 血圧上昇抑制作用 / アミノ酸配列 / 精製 / 魚鱗 |
Research Abstract |
畜産・水産廃棄物の中で、脂質をほとんど含有しない魚鱗を材料として選択し、平成13年度に選択した市販酵素剤を用いて酵素的加水分解物(コラーゲンペプチド)を製造した。0.6NHCl溶液に浸漬する脱灰処理の後に酵素分解したところ、92%の分解率が得られ、製造したペプチドのアンジオテンシンI変換酵素(ACE)の活性を50%阻害する濃度(IC_<50>)は0.57mg/mlであった。高血圧ラットを用いたin vivo評価を行った結果、300mg/kg-body weightを経口投与した群において、コラーゲンペプチドを投与しなかった対照群と比較して有意に(P<0.05)血圧上昇抑制作用が認められた。そこで、SephadexLH-20(Ammersham Pharmasia Biotech、ゲルろ過)、UNOQ-1(BioRad、陰イオン交換)、Superdex Peptide HR 10/30(Ammersham Pharmasia Biotech、ゲルろ過)、Sephasil Peptide C18 column (Ammersham Pharmasia Biotech、逆相)の4段階のカラム精製を行った。その結果、4種類の精製ペプチドを得ることができ、各ペプチドのアミノ酸配列はGly-Tyr, Val-Tyr, Gly-Phe, Val-Ile-Tyrであった。精製したペプチドのACE阻害活性は精製前のペプチドと比較して5倍から20倍に向上し、中でもVal-Ile-TyrおよびVal-TyrのIC_<50>値はそれぞれ7.5μMおよび16μMと、これまで報告されているACE阻害ペプチドと比較して遜色のない高い活性を有していた。また、ACE阻害ペプチドのカルボキシ末端には疎水性アミノ酸が多いことが知られているが、今回、魚鱗から製造し精製したコラーゲンペプチドのカルボキシ末端もまた、チロシン(Tyr)やフェニルアラニン(Phe)といった疎水性アミノ酸であった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] S.Morimura, H.Nagata, Y.Uemura, A.Fahmi, T.Shigematsu, K.Kida: "Development of an effective process for utilization of collagen from livestock and fish waste"Process Biochemistry. 37. 1403-1412 (2002)