2001 Fiscal Year Annual Research Report
蝶番糖の柔軟性およびアロステリック性を利用した機能性生体分子の構築
Project/Area Number |
13680668
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
湯浅 英哉 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (90261156)
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Keywords | 分子デバイス / 分子機械 / 蝶番糖 / オリゴマンノシド / コンカナバリンA / 金属錯体 / リングフリップ / 機能性オリゴ糖 |
Research Abstract |
申講者らは、2, 4-ジアミノ-2, 4-ジデオキシ-キシロピラノシド(以下、蝶番糖)のアミノ基に亜鉛イオンや水銀イオンをキレート配位させると^4C_1型から^1C_4型に立体配座が変化することを見出している(H. Yuasa ; H. Hashimoto, J. Am. Chem. Soc.121, 5089-5090(1999))。さらに、蝶番糖の1位と3位に糖を付けると、.金属の添加で折れ曲がる三糖となることも明らかにしている。しかし、この配位は速い平衡反応であり、折れ曲がった状態は安定に存在せず、速い屈伸運動を起こすものであった。本研究では、折れ曲がった状態で固定できる金属イオンを種々の方法で探索し、白金イオンが有効であることを見出した。さらに、ポリエチレンアミンを添加すると白金イオンの配位交換により4Cl型構造が復活し、伸びた状態に戻すことができることも明らかにした。すなわち、折曲がった状態と伸びた状態をコントロールできる蝶番糖を開発することができた。このような、制御可能な分子デバイスは、アロステリックタンパク質様の分子デバイスなど、さまざまな応用が可能であるが、本研究ではまず、構造の変化によりレセプターヘの結合能が変化するリガンドへの応用を試みた。すなわち、蝶番糖の非還元末端と還元末端にそれぞれマンノースを結合させた三糖を合成し、オリゴマンノシド結合レクチンであるコンカナバリンA(以下、ConAと略)との結合能が金属の添加により変化するかどうかを調べた。その結果、この三糖のComAへの結合能は、金属の添加により2倍ほど低下することを明らかにした。様々な比較実験により、この結合能の低下は、三糖の構造変化に由来することが確かめられた。この結果は、今後この蝶番糖を種々の分子デバイスヘと応用するにあたっての基礎になると考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Yuasa, J.Takada, H.Hashimoto: "Glycosidase inhibition by cyclic salfonium compounds"Bioorg. Med. Chem. Lett.. 11・9. 1137-1139 (2001)
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[Publications] S.Agawa, A.Maruyama, T.Odagiri, H.Yuasa, H.Hashimoto: "Pseudosagars, 42, Synthesis and biological evaluation of α-L-fucosidase inhibitors :5a-carba-α-L-fucopyranosylamine and related compounds"Eur. J. Org. Chem.. 5. 967-974 (2001)