2003 Fiscal Year Annual Research Report
細胞認識能をもつ新規なポリエステル型ケージドデンドリマーの設計と合成
Project/Area Number |
13680677
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
岩村 道子 東邦大学, 理学部, 教授 (90057597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 総一郎 東邦大学, 理学部, 講師 (10287550)
小林 芳郎 東邦大学, 理学部, 教授 (10134610)
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Keywords | ポリエステル型デンドリマー / 細胞認識能 / AB_2型ビルディングブロック / EDCI-DMAP / アセト酢酸エステル / アクリル酸エステル / ケージド化合物 |
Research Abstract |
ポリエステル骨格の生分解性に着目しデンドリマー型ケージド化合物への利用を主眼に置いた新規なポリエステルデンドリマーおよびデンドロンの設計、および新しい合成法の開発を行なった。 昨年に引き続き、アセト酢酸ベンジルとアクリル酸t-ブチルを原料としたAB_2型のビルディングブロックを用いてデンドリマーの合成をおこない、その最適条件の検討をおこなった。その結果[HCOOHによる脱保護→EDCI/DMAPによる脱水縮合]の繰り返しにより[G1,MW:821]から[G5,MW:15327]までのデンドリマーを平均して80%以上の収率で得られるようになった。これらのデンドリマーはシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより容易に精製できるジクロロメタンなどの有機溶媒に可溶の無色粘性の大きい油状物質であった。構造の確認は元素分析、NMR, ESI-MSによりおこなった。特に、NMRスペクトルは^1H,^<13>CについてNOESY, ROESY, HMBCなどの種々の測定をおこなってシグナルの帰属をおこない、また、^<13>Cの縦緩和緩和時間の測定によりデンドリマー分子の周辺部と内部との結合の運動の違いの評価をおこなった。 このようにして得られたデンドリマーの末端部を種々の機能を持つ化合物で修飾する試みがおこなわれた。例えば、トリエチレングリコールを結合させると両親媒性を持つようになった。 細胞認識能をこれらのデンドリマーに持たせるために、その周辺部に糖を結合させるための分子設計と合成法の検討をおこなった。ベンジル保護したマンノースのアノマー位にエチレングリコール鎖を結合させ、これをデンドリマーのカルボキシル末端と結合させる最適条件を確立した。また、ケージド化合物をデンドリマーのカルボキシル末端に結合させるための分子設計と合成法も種々検討したが、現在のところ最良のものは得られていない。
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Research Products
(2 results)