2003 Fiscal Year Annual Research Report
人工膜中での細胞骨格の再構成によるモデル細胞の構築および生体運動の機構解析
Project/Area Number |
13680738
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
瀧口 金吾 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20262842)
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Keywords | 人工脂質膜小胞(リポソーム) / 光学顕微鏡 / トポロジー変化 / 膜融合 / 膜穿孔 / インフルエンザヘムアグルチニン / メリチン / 細胞骨格蛋白質 |
Research Abstract |
融合や分裂などトポロジーの変化をも伴う生体膜の形態変化は、例えば生きた細胞などが自身の構造を保持しながら外界と物質や情報を交換する際に必須のものである。 本研究では、人工脂質膜小胞(リポソーム)の水溶液中における動態挙動を光学暗視野顕微鏡で直接リアルタイムで観察する系を用いることによって、インフルエンザウィルスの膜融合誘導蛋白質ヘムアグルチニン由来のペプチドや溶血性ハチ毒の主成分ペプチドであるメリチンによって誘引されるリポソーム膜の融合過程を世界で初めて可視化することに成功した。 特に、ヘムアグルチニン由来のペプチドを用いての膜融合に関する研究からは、巨大リポソーム間の融合には、必ずそれに先立ってリポソームに収縮が起きること、この収縮が膜の多重摺曲化によって生じることが明らかにされた。また融合を誘導するための条件が、直径が数マイクロメーターでほぼ細胞と同じ大きさを持つ巨大リポソームの場合と直径が数100ナノメーターのベシクルの場合とで異なり、この違いが膜の持つ曲率の違いに起因するであろうことが示された。 さらに、メリチンを用いての膜融合に関する研究からは、巨大リポソームに膜融合や膜穿孔を生じさせているときと、融合に先立って生じるリポソームの収縮や膜の可溶化を引き起こしているときとで、メリチンとリポソーム膜との結合・相互作用の様式が異なっていることが明らかにされた。 上記の膜融合や膜穿孔などトポロジーの変化を伴う膜の形態変化を誘導する際、用いた蛋白質やペプチドの持つ電荷と膜との相互作用が非常に重要な役割を演じていることが分かった。これは細胞骨格系蛋白質のタリンやエツリンがリポソームに膜穿孔を引き起こす場合にも当てはまることが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] F.Nomura: "Microscopic Observations Reveal that Fusogenic Peptides Induce Liposome Shrinkage Prior to Membrane Fusion"Proceedings of the National Academy of Sciences USA.. (印刷中). (2004)
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[Publications] H.Hotani: "Mechanical Analyses of Morphological and Topological Transformation of Liposomes"BioSystems. 71巻. 93-100 (2003)