2001 Fiscal Year Annual Research Report
40kDa-A型フィトクロム結合タンパク質と光シグナル伝達
Project/Area Number |
13680748
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
徳富 哲 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助教授 (90142009)
|
Keywords | 光環境情報 / 光センシング / 光受容体 / フィトクロム / 結合タンパク質 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
移動能力を持たない植物は、外界の環境変化に適切に応答して、発芽・成長し、効率よく光合成を行い、開花・結実して子孫を残す。いずれの過程にも光による制御機構が働いており、これらの光形態形成反応の光センサーとして、赤色光領域に主要な吸収を持つフィトクロムと、青色光領域に吸収を持つ一群の青色光受容体が知られている。フィトクロムによる光情報受容の流れは、(1)発色団による光量子の吸収と光化学反応、(2)それにともなうタンパク質部分の構造変化、(3)相互作用タンパク質へのシグナル伝達、(4)シグナル伝達のカスケード、(5)目的遺伝子発現調節や酵素活性の調節、(6)生理反応の発現、と表せる。この(3)の分子機構を調べるべく、これまでフィトクロムをリガンドとするアフィニティーカラムクロマトグラフィーにより、複数のA型フィトクロム(PhyA)結合タンパク質(BP)を検出してきた。これらの部分アミノ酸配列から、光可逆的にPhyAに結合をする40kDa-BPを始めとする4つのBPを同定した。これらのBPは、オーキシンを介した細胞壁生合成の調節に関わっている可能性が有り、現在これらの点を明らかにすべく、BPの機能およびその機能制御機構へのフィトクロムの関与をin vitroおよびin vivoの系を用いて解析中であり、これらの結果からPhyAを介したシグナル伝達機構の解明に迫る予定である。
|