2001 Fiscal Year Annual Research Report
胚細胞変異体を用いたDNAミスマッチ修復蛋白hMLH1の機能解析
Project/Area Number |
13680756
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福重 真一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (90192723)
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Keywords | DNAミスマッチ修復 / hMLH1 / 遺伝性非腺種症性大腸癌 / hPMS2 / 胚細胞変異 |
Research Abstract |
DNAミスマッチ修復(MMR)遺伝子、hMLH1の胚細胞変異は、遺伝性非腺腫症性大腸癌(HNPCC)の主要な原因である。また、その異常の約30%がミスセンス変異であるという特徴をもつ。われわれは、これらの胚細胞変異蛋白を用いて、hMLH1の細胞内における機能を明らかにすることを目的とした。hMLH1蛋白は、細胞内で別のMMR蛋白hPMS2をはじめ、メチルCPG結合蛋白MBD4、エクソヌクレアーゼEX01、ブルーム症候群原因蛋白BLMと相互作用することが知られている。本年度は、まず、これらの蛋白とhMLH1との相互作用部位を酵母の2ハイブリッドの系を用いて解析した。その結果、すべての蛋白がhMLH1のC末領域(390〜756番目のアミノ酸残基)で相互作用するごとを見い出した。次に、site-directed mutagenesisにより、40種のhMLH1胚細胞変異(25種のミスセンス変異を含む)と2種のアミノ酸の変化を伴う多型をcDNAに導入し、それぞれのhMLH1変異体および多型とhPMS2との相互作用を酵母の2ハイブリッドの系を用いて解析した。2種の多型では、2ハイブリッドアッセイの指標であるβガラクトシダーゼ活性は、元の正常なhMLH1 cDNAと同じ値を示した。一方、ナンセンス変異および、フレームシフト変異はすべてβガラクトシダーゼ活性の著しい低下を引き起こした。また、ミスセンス変異に関しては、全体の約2/3を占めるN末側とC末側の変異でβガラクトシダーゼ活性の著しい低下が見られた。in vitroのGST pull-down assayおよぴゲル移動度シフト法の解析から、hMLH1胚細胞変異蛋白によるβガラクトシダーゼ活性の低下は、単なるhPMS2との相互作用の異常だけでなく、N末側での構造変化がその主要な原因であることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kondo, E.: "The interacting domains of three MutL heterodimers in man : hMLH1 interacts with 36 homologous amino-acid residues within hMLH3, hPMS1 and hPMS2"Nucleic Acids Res.. 29. 1695-1702 (2001)
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[Publications] Makino, N.: "Isolation and characterization of the human gene homologous to the Drosophila headcase (hdc) gene in chromosome bands 6q23-q24, a region of common deletion in human pancreatic cancer"DNA Sequence. 11. 547-553 (2001)