2001 Fiscal Year Annual Research Report
MAPキナーゼスーパーファミリーに属する新規キナーゼMOKの生理的機能の解析
Project/Area Number |
13680781
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮田 愛彦 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (70209914)
|
Keywords | MOK / MAPK / Kinase / 分子シャペロン / HSP90 / ノックアウトマウス / ゲノム構造 / ES細胞 |
Research Abstract |
前年度までの研究で、MAPキナーゼスーパーファミリーに属する新しいSer/ThrキナーゼMOKを同定し、マウス及びヒトの完全長cDNAをクローニングした。本研究では、哺乳類細胞を用いた共免疫沈降実験によりMOKと結合するタンパク質を複数単離した。これらのMOK結合タンパク質は、HSP90,HSC70/HSP)70,Cdc37からなる分子シャペロン複合体であることが明らかとなった。分子シャペロンの結合はMOKが細胞内で安定に存在することに必須であり、ゲルダナマイシン処理によりHSP90の機能を阻害すると細胞内でMOKは速やかにプロテアソーム依存性に分解された。またMOKの一次構造上でキナーゼドメインI-IVがHSP90との結合に必要であると結論された。MOKと相同性の高いMAKやMRKもやはりHSP90と複合体を形成していたが、DYRKはHSP90と複合体を形成していなかった。一方、同じHSP90ファミリーに属するGRP94や、HSP90コシャペロンの一種であるFKBP52はMOK-シャペロン複合体には含まれていなかった。 更に、生物個体でのMOKの機能を探る目的でMOKの遺伝子欠損マウスの作成を開始した。マウスゲノムライブラリーからMOKの全長cDNAをプローブとしたスクリーニングによりMOKのゲノム断片をクローニングした。MOK遺伝子はヒトでは14q92に位置する全長約80kbpの領域に12のエクソンを含んで存在する。得られたゲノム断片はそのうちエクソンの2-4を含む14kbpであった。同ゲノム断片の制限酵素サイトマッピングの後、適当な断片を用いてneoポジティヴセレクションマーカーとTKネガティヴセレクションマーカーを含むターゲッティングベクターを構築した。現在相同遺伝子組み換えによる遺伝子変異のES細胞への導入を試みている。
|
-
[Publications] Miyata, Y.: "Specific association of a set of molecular chaperones including HSP9O and Cdc37 with MOK, a member of the mitogen-activated protein kinase superfamily"The Journal of Biological Chemistry. 276. 21841-21848 (2001)