2001 Fiscal Year Annual Research Report
四肢パターン形成におけるShh-Wnt-BMP相互作用
Project/Area Number |
13680813
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
濃野 勉 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (20098619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 知弘 川崎医科大学, 医学部, 助手 (40330550)
和田 直之 川崎医科大学, 医学部, 助手 (50267449)
西松 伸一郎 川崎医科大学, 医学部, 講師 (20222185)
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Keywords | Shh / FGF-4 / Hoxd13 / Ephrin-A2 / EphA4 / AER / パターン形成 / 四肢形成 |
Research Abstract |
肢芽ではShhとFGF-4の発現は正のフィードバックにより維持され,肢芽前側に適用したShhタンパク質で近傍のAERにFGF-4が誘導される。一方,FGF-4タンパク質はZPAでのShhの発現維持は出来るが,肢芽前側で異所的にShhを誘導することは報告されておらず,一度肢芽が形成された後ではFGFによるShhの誘導は起こらないと考えられてきた。しかし,後肢芽のAER前端直下にFGF-4を適用すると36時間後に近傍の細胞でShhの発現が見られた。Shhの発現には体幹からの細胞移動は関与しておらず,Hoxd13を誘導して部分的な前後軸の逆転が起こる。FGF-2やFGF-8などではShhの誘導は見られない。前肢芽と後肢芽ではFGF-4に対する応答能が異なり,後肢芽では肢芽形成後でもFGF-4によりShhの誘導が起こる。 四肢骨格パターンを制御する機構として間充織凝集の調節に注目し,その接着性を調節する因子としてEphA4とephrin-A2の相互作用を解析した。Ephrin-A2とEphA4は肢芽で相補的に発現し,ephrin-A2は肢芽の近位で,EphA4は肢芽遠位で強く発現していた。細胞接着性とephrin-A2との関連を調べるために,ephrin-A2を過剰発現させて間充織の接着性への効果を調べた。その結果,初期(ステージ20-21)の間充織では接着性は変化しなかったが,発生が進んだ(ステージ25-26)肢芽では間充織の接着性に変化が認められた。RCAS-ephrin-A2を感染させた肢芽の一部では骨格パターンの変化も認められた。肢芽で位置特異的に発現するephrin-AやEphAの相互作用は間充織の接着性を位置特異的に変化させ,これにより間充織凝集や骨格パターンが調節されると考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yasue, A., Tao, H., Nohno, T., et al.: "Cloning and expression of the chick p63 gene"Mechanisms of Development. 100. 105-108 (2001)
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[Publications] Kano, Y., Nohno, T., Takahashi, R., et al.: "cAMP and calcium jonophore induce outgrowth of neuronal processes in PC12 mutant cells in which nerve growth factor-induced outgrowth of neuronal processes is impaired"Neuroscience Letters. 303. 21-24 (2001)
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[Publications] Wada, N., Nohno, T.: "Differential response of Shh expression between chick forelimb and hindlimb buds by FGF-4"Developmental Dynamics. 221. 402-411 (2001)
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[Publications] Yamagishi, T., Nakajima, Y., Nishimatsu, S., et al.: "Expression of bone morphogenetic protein-5 gene during chick heart development : possible roles in valvuloseptal endocardial cushion formation"Anatomical Record. 264. 313-316 (2001)