2001 Fiscal Year Annual Research Report
視運動行動に関わる脳幹-視床多重回路の形態学的研究
Project/Area Number |
13680817
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
星野 嘉恵子 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90018698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
車田 正男 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00018699)
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Keywords | 視床 / 内側外側核-膝上核 / 脚橋被蓋核 / 上丘 |
Research Abstract |
ネコ脚橋被蓋核(PPT)はそのコリン作動性線維を内側外側核-膝上核(LM-Sgおよび上丘(SC)へ投射している。 I)PPTの単一ニューロンがLM-SgおよびSCへ同時に投射しているかどうかを確認する目的で逆行性蛍光色素を用いて解析した。一側のLM-Sgにdextran tetramethylrhodamine(DR)を、それと同側のSCへdextran fluorescein(DF)を注入した。その結果、1)PPTのDR逆行性標識細胞(LM-Sgへの投射ニューロン)は小型で、PPTの吻側方に多く分布していた。2)DF標識細胞(SCへの投射ニューロン)は大型と小型細胞で、PPTのほぼ全域に分布していた。数の上では、DF標識細胞がDR標識細胞よりも多かった。3)PPTにおける重標識細胞はすべて小型細胞であり、その数は全標識小型細胞の約30%であった。以上の結果から、LM-Sgへ投射している細胞の約30%がSCへも同時に投射していることが明らかになった。 II)SCからLM-Sgへの投射ニューロンがPPTからの投射終末を直接受けるかどうかを確認する目的で、カイニン酸注入によりPPTを破壊し、逆行性トレーサーWGA-HRPをLM-Sgに注入した。その結果、SCにおけるPPTからの変性線維終末の分布はSCの中間層〜深層にパッチ状にあらわれた。一方、LM-Sgへ投射するHRPラベル細胞は中間層〜深層にまばらに存在していた。それらの分布は光顕レベルで一部重複していた。以上の結果から、PPTからの終末がLM-Sgへの投射細胞に直接結合している可能性が示唆される。 III)これらの結果は平成14年に、日本解剖学会、日本神経科学会、などで発表し、論文投稿準備中である。
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