2002 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子組み換えによるエイズ痴呆発症機構の解明ならびに治療薬の評価
Project/Area Number |
13680840
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
斉藤 邦明 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (80262765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清島 満 岐阜大学, 医学部, 教授 (10171315)
山田 泰弘 岐阜大学, 医学部, 助手 (10324295)
和田 久泰 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (10283300)
関川 賢二 農業生物資源研究所, 部長
鍋島 俊隆 名古屋大学, 医学部, 教授 (70076751)
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Keywords | AIDS / 痴呆 / TNF-α / indoleamine-2,3-dioxygenase / NO合成酵素 / 脳神経疾患 / トキソプラズマ |
Research Abstract |
HIV等で刺激したヒト血中モノサイト/マクロファージ培養上清を用いたマウス初代神経細胞による毒性試験野結果、マウス初代神経培養細胞に、HIVならびにLPSで刺激したヒト血中モノサイト/マクロファージ培養上清を添加したところ、神経細胞生存率の低下が認められた。この生存率の低下は、NMDAレセプターアンタゴニストであるMK-801あるいはTNF-α抗体の添加で改善された。さらにエイズ痴呆(ADC)に類似した症状を呈することで知られるレトロウイルス感染モデル(immunosupressive murine leukemia virus, LP-BM5,感染末期にマウスADC様の症状を呈する)を用いた、TNF-α欠損骨髄キメラマウスによる病体解析ならびに行動薬理試験の結果を総合すると、いずれもウイルス感染により活性化された脳内マイクログリアおよび一部の浸潤細胞が産生するTNF-αが痴呆の発症に深く関係していることが明らかとなった。したがって、ADC治療薬としてTNF-α阻害剤の応用は極めて重要と考えられた。 また、ADC発症に関与していることが示唆され、TNF-αなどの炎症性サイトカインで酵素誘導されるトリプトファンの分解酵素であるインドールアミン酸素添加酵素について、トランスジェニックマウスの作成に成功した。このマウスのフェノタイプ解析ならびに、種々疾患モデルへ応用する事により生体内でのインドールアミン酸素添加酵素の役割が明らかになることが期待された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Iwasaki M, et al.: "Tumor necrosis factor-α from bone marrow-derived cells is not essential for the expression of adhesion molecules in lipopolysaccaride-induced nasal inflammation"Cytokine. (In Press). (2003)
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[Publications] Kasahara S, et al.: "Lack of tumor necrosis factor-α induces impaired proliferation of hepatitis B virus-specific CTL"J. Virol.. (In Press). (2003)
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[Publications] Fujigaki S, et al.: "L-Typtophan-L-kynurenine pathway metabolism accelerated by Toxoplasma gondii infection is abolished in gamma interferon-gene-deficient mice : cross-regulation between inducible nitric oxide synthase and indoleamine-2, 3-dioxygenase"Infect Immun.. 70. 779-786 (2002)
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[Publications] Maekawa N, et al.: "Improved myocardial ischemia/reperfusion injury in mice lacking tumor necrosis factor-α"J. Am. Coll. Cardiol.. 39. 1229-1235 (2002)
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[Publications] 斉藤邦明他: "生活習贋病と炎症性サイトカイン-TNF-αを中心として-"健康創造研究. 1・1. 22-29 (2002)
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[Publications] 関川賢二他: "感染症の宿主防御機構-理論と実際-腫瘍壊死因子(TNF-α)"医薬ジャーナル社. (2002)