2001 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞の樹状突起BC1RNA輸送におけるpurαの機能
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13680853
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
安西 偕二郎 日本大学, 薬学部, 教授 (30114359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舩越 智子 日本大学, 薬学部, 助手 (90318460)
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Keywords | 神経細胞 / 樹状突起 / RNA輸送 / BC1 RNA / ポリソーム / タンパク合成 / 分子モーター / 可塑性 |
Research Abstract |
puralphaは、ssDNAやRNAに結合するタンパクで、DNAの複製や転写の調節因子である。我々はこれまでにpuralphaが神経細胞の細胞質ではRNAの樹状突起輸送に関与し得る事を報告したが、その後このタンパクがpolysomeに結合している事も見い出した。以上の事はpurタンパクが細胞内の局在部位によって複製、転写、輸送、翻訳など異なった機能に関与している事を示唆している。このような多彩な機能を果たす為には、夫々の機能に必要とされるタンパクと相互作用する必要性が考えられる。そのような観点から、今年度はpur alpha/polysome複合体と相互作用しているタンパクについて解析した。その結果、1 脆弱性X症候群の原因となるFMRP(Fragile Mental Retardation Protein)、2 分子モーターのmyosinVa、3 樹状突起へのRNA輸送に関与するmStaufenタンパクと相互作用していることがわかった。更にERを介してkinesinモーターのKHCと挙動を共にする事も観察した。以上の事はpuralpha-polysome-FM RP-myosinVa-mStaufe n複合体が、ER/kinesinKHCと共に樹状突起内におけるmRNA(polysome)の輸送や翻訳に関与している事を示唆している。又、actinモーターのmyosinVaが含まれている事からPSDへのpolysome輸送に関与する可能性も考えられる。さらに、EDTA処理によって、それらのタンパクはリボソームから遊離するが、pur alpha抗体によって免疫沈澱する。つまり、ポリソームには、輸送や翻訳に関与するタンパク複合体が備えられている事が示唆された。pur alpha抗体によって得られたタンパク画分には未同定のタンパクが10-20種類あり、今後それらの実体を明らかにすることが大切である。
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