2002 Fiscal Year Annual Research Report
グリア細胞におけるカルシウム透過性AMPA受容体の役割の解明
Project/Area Number |
13680862
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
都筑 馨介 群馬大学, 医学部, 助教授 (60222139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯野 昌枝 群馬大学, 医学部, 助手 (20008329)
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Keywords | ベルグマングリア / カルシウム / グリア線維酸性タンパク質 / トランスジェニックマウス / グルタミン酸受容体 |
Research Abstract |
昨年度のこの研究で、グリア細胞特異的にAMPA受容体のサブユニットであるGluR2を発現させるトランスジェニックマウスを作製した。ヒトグリア線維酸性タンパク質(Glial fibrillary acidic protein, GFAP)のプロモータ下にラットのGluR2 cDNAを連結した遺伝子コンストラクトをBDF1マウス受精卵に注入し、最終的に7匹のトランスジェニックマウスを得た。この動物はマウスの系統がC57BL/6とDBA/2の雑種であるので遺伝背景をC57BL/6に揃えるために純系C57BL/6と交配した。C57BL/6との交配で得られた産仔について尾からDNAを抽出してPCRを行い遺伝子が遺伝子が伝達されている産仔について、C57BL/6との交配を繰り返した。産仔の一部について脳の顕微鏡標本を作製したところ、2系統において小脳皮質分子層に強いGluR2タンパク質を発現が見られた。このGluR2の発現は分子層の一部においてくさび形に強くGluR2が発現したが、一様な発現ではないことから更に遺伝背景を安定化させるために6代C57BL/6と交配を続け、遺伝背景を99%以上C57BL/6に揃えたトランスジェニック動物を得た。この2系統について現在得られている知見は以下の通りである。(1)脳が小さい。純系C57BL/6に比べ、体重は差がないが、脳重は80%前後である。大きさも、正常の70%前後である。背腹方向、吻尾方向に全般的に小さくなっており、大きな奇形は見られない。(2)100日以上飼育した動物については、免疫染色において小脳ベルグマングリア細胞にC57BL/6では発現を欠くGluR2の発現が認められた。しかし、GFAPの発現が十分でない1ヶ月以内の動物ではベルグマングリア細胞におけるGluR2発現が弱かった。
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