2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680898
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
杉内 友理子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30251523)
|
Keywords | 前頭眼野 / 前庭神経 / 表面電位 / 層別電場電位 |
Research Abstract |
実験にはサルを用いた。ケタラールの筋肉内注射(10mg/kg)にて全身麻酔を導入し、α-クロラロースの静脈内投与(100-120mg/kg)にて麻酔深度を維持した。以後必要に応じてα-クロラロースの静脈内投与を追加した。 1.サルの中耳は深部にあるためアプローチが難しく,刺激電極を植えるこどがこれまで困難といわれてきた。そこでサル中耳の解剖を十分に行い、新たなventral approachで刺激電極を植える方法を開発した。 2.中耳内の内耳窓近傍に銀ボール電極を植え、前庭神経の電気刺激を行い、大脳皮質の広範な部位において表面電位を記録し、反応を示す部位がどこであるかを同定したが,2v野と6pa野以外は表面で記録される電位は見られなかった。 3.次に大脳皮質の広範な部位,とりわけ大脳表面に露出していないためこれまで解析されていなかった脳溝に沿った灰白質部分に電極を刺入し、depth analysisを行い、どの脳溝に沿って反応が認められるかを検討した。 4.また、これまで層別電場電位の解析によって視床皮質投射には浅層性のものと深層性のものが存在し、その電場電位の層状プロフィールは視床皮質投射細胞の神経終末の分布と一致することが、ネコにおいて明らかにされている。この結果をふまえ、前庭神経を電気刺激した際の、層別電場電位の解析から、前庭性の視床皮質投射が浅層性投射であるか深層性投射であるかその投射様式を検討した。 5.中耳内に刺激電極を植えて刺激しているため,誘発された反応が聴神経,鼓索神経,顔面神経への電流滑走によるものでないことを確認するため,これらの神経を内耳道内で切断した。これにより、3)で記録していた反応が、真に前庭神経由来であるかどうかをを検証した。 6.以上の結果を解析し,現在論文をJournal of Neurophysiologyに投稿準備をしている。
|