2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680923
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
紺野 啓 秋田大学, 医学部, 助手 (00323139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大高 道郎 秋田大学, 医学部, 講師 (30250872)
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Keywords | 超音波 / 造影 / 治療 / 損傷修復 / 胃粘膜 / 潰瘍 |
Research Abstract |
前年度と同様、ラットの胃粘膜から抽出培養した上皮(RGM1)のシート(単層)に人為的な穴を開けて作成した潰瘍モデルを用い、潰瘍の修復過程に超音波が与える影響を検討した。 今年度は攻撃因子として超音波診断用造影剤レボビスト(日本シェーリング社)を加えた場合の潰瘍の修復過程に与える影響について検討した。超音波診断用造影剤レボビストは、それ自体細胞障害作用を持たないが、これを水に溶解した場合に発生する微小気泡を造影剤として用いる造影超音波法においては、微小気泡を強い音圧で崩壊させて造影効果を得る現在主流の手法を用いた場合、微小気泡の崩壊により生じるエネルギーが細胞障害効果を発揮することが知られる。これが潰瘍の治癒に与える影響について明らかにする目的で以下の実験を行った。 照射する超音波は前年度までの結果に従い送信周波数2MHz、パルス幅200m/sec、繰り返し周波数1.0kHZのパルス波とし、出力は1-100mW/cm^2とした。照射時間は10分とした。通常の造影超音波法において、抹消組織におけるレボビストの濃度は0.1-1mg/ml程度と考えられるため、今回はレボビスト0.1-100mg/mlを添加した潰瘍モデルでレボビストを用いた造影超音波法が潰瘍の治癒速度に与える影響について検討した。対象を超音波照射群と非照射群に分け、さらに照射群は1)レボビスト非添加群、2)添加群、3)超音波暴露後(微小気泡崩壊後)のレボビスト添加群、非照射群は4)レボビスト非添加群と5)添加群、に分けて各群の潰瘍治癒速度を比較検討した。 結果、今回設定した条件の範囲では各群間で潰瘍の治癒速度に有意な差を認めなかったため、照射する超音波を連続波として同様の条件で実験したが、やはり各群間で潰瘍の治癒速度に有意な差を認めず、レボビストを用いた造影超音波法は潰瘍治癒速度には影響を及ぼさないことがわかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] KONNO, K, ISHIDA, H, SATO, M et al.: "Dilatation of the cystic duct in patients with obstructive jaundice"Abdom Imaging. 28(1). 75-78 (2003)
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[Publications] KONNO, K, ISHIDA, H, KOMATSUDA, T et al.: "Image distortion in US-guided liver tumor puncture with curved linear array"Eur Radiol. 13(6). 1291-1296 (2003)
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[Publications] Komatsuda T., Ishida H., Konno K, et al.: "Differentiation of exudate from transudate ascites by Doppler sonography"Abdom Imaging. 28(5). 609-609 (2003)