2002 Fiscal Year Annual Research Report
医学用語間の意味関連性を利用して診療データベースから類似症例を探索する手法の開発
Project/Area Number |
13680927
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大江 和彦 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (40221121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野木 雄三 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (90233593)
渡辺 宏樹 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (10334377)
波多野 賢二 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (60311619)
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Keywords | 医療情報処理 / 診療データベース / 医学用語シソーラス / 退院サマリー / 病名の標準化 / データマインニング |
Research Abstract |
目的:電子化された退院時サマリのデータから臨床医学用語を抽出し、用語のシソーラスを構築し、症例の臨床上の意義を表現する手法を開発し、新規に想定した症例と類似の症例をデータベースから探索することにその手法を適用してその性能を評価する。 方法:退院時サマリーの電子化システムの準備、とくに情報の構造化分析を行うこと、および病名用語のシソーラス作成を行う。また標準病名用語集を開発し、その臨床分類シソーラスを開発し、同義語と関連語の整理をおこなった。その上で評価用退院時サマリーデータベースを作成し、用語の抽出と関連性の抽出を行う。 結果:病名用語約20000件と索引語約60000語の整理を行い、階層関係テーブルを構築した。これと医学用語辞書を辞書ソースとして構文解析ソフトを用いて退院サマリー800件を解析し、用語の抽出およびその共起グラフを得た。別の退院サマリー20件について、類似症例を抽出できるかどうかの評価を行った結果、17件については類似と判断できる症例が抽出できたが、3件についてはノイズによる影響を受けた乖離症例と判断された。 考察:本研究での成果のひとつは将来の医学キーワード抽出につながる基礎データベースとして病名の階層関係テーブルが構築できたことである。これに症状所見用語を追加することが必要である。類似症例の抽出では、所見の有無がもっとも重要であり用語間の反意関係テーブルを構築することが今後の課題であると考えられた。
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[Publications] K.Ohe, K.Miyo, Y.Onogi, K.Ueda, M.Takada, T.Chihara: "Implications of a General data model for implementing OODB/CORBA-based computerized patient record system"Proceedings of MEDINFO2001, V.Patel etal.(Eds), Amsterdam : IOS press. 789 (2001)
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[Publications] 波多野賢二, 浜田篤, 柏木聖代, 田代朋子, 渡部晃久, 佐藤恵, 佐々木哲明, 大江和彦: "ICD準拠標準病名マスターに基づく臨床病名分類階層の作成"第21回医療情報学連合大会論文集. 21. 739-741 (2001)
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[Publications] 党〓, 小野木雄三, 大江和彦: "退院時要約のXML表現とオンライン処理システムの構築"第21回医療情報学連合大会論文集. 21. 776-777 (2001)
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[Publications] 大江和彦, 波多野賢二, 熊澤祐輔, 松元宏明: "修飾語入力とICD10コード変換を整備した標準病名入力のためのオープンソースソフトウエアの開発"第21回医療情報学連合大会論文集. 21. 826-827 (2001)
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[Publications] 小野木雄三, 大江和彦: "自然言語処理を目指した放射線読影領域の用語解析"第21回医療情報学連合大会論文集. 21. 800-801 (2001)
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[Publications] D.Koide, K.Ohe: "Applying data mining to detection of adverse drug reactions. Proceedings of MEDINFO2001"Proceedings of MEDINFO2001, V.Patel etal(Eds),Amsterdam : IOS press. 1421 (2001)