2001 Fiscal Year Annual Research Report
医用MRI画像を基にした血流の数値解析診断法の確立
Project/Area Number |
13680928
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
青木 尊之 東京工業大学, 学術国際情報センター, 教授 (00184036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 純 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助手 (90302984)
池平 博夫 放射線医学総合研究所, 画像医学部・分子情報研究室, 室長
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Keywords | 医用画像 / 血流 / 数値流体計算 / MRI画像データ / Level Set法 / 時系列データ / 局所補間微分オペレータ法 / 複雑形状 |
Research Abstract |
平成13年9月に放射線医学総合研究所の2T磁場MRI装置を用い、心電同期によりゲートからの遅延時間を変えることで腹部大動脈部の3次元動態撮影を行った。腹部骨盤付近における大動脈の3次元時系列データをアンジオグラフィーにより取得した。Axial方向にスライスして画像を取得することにより、血管形状をつかみ易くなり、補間処理後にVolume Rendering表示とIso-surface表示による動態解析を行った。大動脈のみが動いていることが明らかになったが、他の血管と接近しているために境界があいまいになっている部分もある。大動脈のみを識別し、他の血管とのコントラスト差を付けるような処理を行ってから可視化を行う必要があることが分かった。 この画像をベースにして、血流の信号強度に合わせて3次元血管構造を抽出した。予想通り血管構造は非常に複雑であり、従来の構造格子に対する境界適合座標法は通用しないことが判明した。そこで、この血管構造データを直交格子において高精度に表現するために、通常の等間隔格子ではなく血管を含む領域のみを必要な精度まで格子間隔を細分化するAMR(Adaptive Mesh Refinement)法を開発に着手した。AMR法を使うためには非等間隔格子と高精度補間の問題が生じるが我々が高精度数値流体計算手法として開発してきた局所補間微分オペレータ(IDO)法は、微係数を独立に与えるエルミート補間を用いるため、等間隔の場合とほとんど同じ精度でAMR法を使うことができる。拍動に応じて血管の伸縮を取り入れることが可能なように、AMRのデータ構造の設計を行った。単純なベンチマークテストとして、形状が変形しない物体が移動する場合に対してAMR法を適用し、予想通り物体境界の周辺の格子を動的に細分化できることか明らかになった。平成14年度は、AMR法を血流の数値流体計算に適用し、圧力の時間・空間変化の解析を行う。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Aoki: "3D Simulation for Falling Papers"Comput. Phys. Comm.. Vol.142, No.1-3. 326-329 (2002)
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[Publications] Lei-Hau Lee, 青木尊之: "PlayStation2のEmotion Engineによる数値計算"ハイパホーマンスコンピューティングと計算科学シンポジウムHPCS2002. IPSJ Symposium Vol.2002,No.4. 65-71 (2002)
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[Publications] 吉田浩, 青木尊之: "重合格子法を用いた球面座標系での流体計算"第15回数値流体力学シンポジウム講演予稿集. 134/D08-4(CD-ROM). (2001)
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[Publications] 西田青示, 青木尊之: "IDO-AMR法による数値流体計算スキームの開発"第15回数値流体力学シンポジウム講演予稿集. 134/D14-4(CD-ROM). (2001)
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[Publications] 青木尊之, 肖鋒: "複雑形状の複雑でない計算法"情報処理. Vol.42, No.6. 551-558 (2002)
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[Publications] K.Kato, T.Aoki, T.Sekine: "並列化で苦しむ大規模アプリケーション開発"情報処理学会・研究会報告. 2001[HPC-86]. 25-30 (2001)