2003 Fiscal Year Annual Research Report
医用MRI画像を基にした血流の数値解析診断法の確立
Project/Area Number |
13680928
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
青木 尊之 東京工業大学, 学術国際情報センター, 教授 (00184036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 純 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助手 (90302984)
池平 博夫 放射線医学総合研究所, 画像医学部・分子情報研究室, 室長 (50150313)
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Keywords | MRI / 血流計算 / マイクロ・イメージング・コイル / SHP / 連成計算 / 局所補間微分オペレータ(IDO)法 / 血管弾性」変形」 / 拡張個別要素法 |
Research Abstract |
放射線医学総合研究所・画像医学部の2T磁場MRI装置にマイクロ・イメージング・コイル(直径10cm)を装着し、撮影部位の範囲を限定することで0.1mmの分解能で脳血管を撮影した。脳血管の全体撮影(分解能1mm)の中に詳細撮影を埋め込むことができ、階層的イメージ構造の第一歩が示せた。 撮影した脳血管構造に対し、平成15年度新たにSPH(Smoothed particle Hydrodynamics)法で血流計算を試みた。粒子モデルであるため血流部分のみを計算領域とすることができ、複雑な血管壁構造も単一粒子と壁の単純な衝突でモデル化できる利点がある。血流は非圧縮性流体であるため、擬似的に音速を減少させ、圧縮性流体の解法を用いて長時間計算することで対応した。低レイノルズ数流れに対して3次元計算を行い妥当な計算結果を得ることができ、赤血球などを考慮したミクロ流れにも対応できる目安を得ることができた。 平成14年から進行しているカットセルによる血流計算は、血管弾性壁に対して拡張個別要素法を適用し、血流との連成計算を行った。局所補間微分オペレータ(IDO)法を用いているため、血管壁近傍において高精度でポアソン方程式を解くことができることを示した。比較的単純なU字形状およびキンク形状の曲がり管で模擬した血管に拍動流を流入させ、血圧の変化に応じて血管壁が伸縮することを再現した。曲がり部の曲率の大きいところでは、血管壁を剛体と仮定した場合の計算結果と比較して最大圧力が低下することを示した。まだ、出口流速についても、剛体血管に対して弾性変形を考慮した場合には、流入に対する流速のレスポンスが遅れることも判明した。 以上の成果から、医用MRI画像をベースにした血流の詳細解析を行うことが可能であることを示すことができ、診断システム構築への基礎となる成果が得られた。
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Research Products
(14 results)
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[Publications] 青木尊之: "Numerical scheme for moving body interacting with fluid"Proceedings of 2nd MIT conf.on Computational Fluid and Solid Mechanics. Vol.2,No.2. 1237-1239 (2003)
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[Publications] 今井陽介, 青木尊之, 小原徹也: "IDO法による弾性壁を考慮した血流シミュレーション"日本機械学会2003年度年次大会・講演予稿集. Vol.3-1,No.VII. 25-26 (2003)
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[Publications] T.Utsumi, J.Koga, T.Yabe, Y.Ogata, E.Matsunaga, T.Aoki, M.Sekine: "Basis Set Approach in the Constrained Interpolation Profile Method"Research Report of National Institute for Fusion Science. Vol.NIFS-778. (2003)
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[Publications] T.Aoki, K.Kato, T.Kobara, M.Yoshida, M.Tanahashi: "Compressible and Incompressible Turburence Simulation by IDO scheme"Japan-Russia Seminar on Turbulence and Instabilities. Vol.3. 14-15 (2003)
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[Publications] 青木尊之, 肖 鋒: "マルチメジャーを用いた計算手法(CIP法、IDO法)"計算工学. Vol.8,No.4. 18-21 (2003)
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[Publications] 加藤香, 青木尊之, 藤田幸多雄, 佐分利禎, 吉田正典: "TNT爆発のブラストウェーブ"日経サイエンス. Vol.2004,No.1. 109 (2003)
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[Publications] 今井陽介, 青木尊之, 佐分利禎: "陰的ルンゲ・クッタ法によるIDO法の時間発展"第16回計算力学講演会・講演論文集. Vol.03,No.26. 151-152 (2003)
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[Publications] 青木尊之: "レイトレーシングによる計算力学の可視化と簡易立体視"第16回計算力学講演会・講演論文集. Vol.03,No.26. 27-28 (2003)
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[Publications] 青木尊之: "直交格子をベースとした弱連成解法"第16回計算力学講演会・講演論文集. Vol.03,No.26. 33-34 (2003)
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[Publications] 佐分利 禎, 青木尊之, 今井陽介: "高精度波動計算手法の開発"第17回数値流体シンポジウム・講演予稿集. (CD-ROM). 111 (2003)
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[Publications] 出口洋平, 青木尊之: "IDO法を用いた潮汐流れの高精度数値シミュレーション"第17回数値流体シンポジウム・講演予稿集. (CD-ROM). 208 (2003)
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[Publications] T.Utsumi, T.Yabe, J.Koga, T.Aoki, T.Sekine: "Accurate basis set by the CIP method for the solutions of the Schrodinger equation"Computer Physics Communications. Vol.157,No.2. 121-138 (2004)
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[Publications] 藤田幸多雄, 今井陽介, 青木尊之: "粒子モデルによるミクロ血流シミュレーション"日本機械学会・第16回バイオエンジニアリング講演会予稿集. Vol.03,No.38. 231-232 (2004)
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[Publications] 今井陽介, 青木尊之, 池平博夫: "脳血管に対する流体-構造連成イメージベースト血流シミュレーション"日本機械学会・第16回バイオエンジニアリング講演会予稿集. Vol.03,No.38. 235-236 (2004)