2001 Fiscal Year Annual Research Report
生体信号から音楽へのインタラクティブ変換システムの設計と応用に関する研究
Project/Area Number |
13680949
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
横山 清子 名古屋市立大学, 芸術工学部, 助教授 (50174868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 みか子 名古屋市立大学, 芸術工学部, 助教授 (50295622)
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Keywords | 生体信号 / 心拍変動性 / バイオフィードバック / 音楽 / 音量 / 精神作業 / インタラクティブシステム / 生体負担度 |
Research Abstract |
人の身体状態の提示や身体状態の良好な方向への制御を行うバイオフィードバックのために、生体信号から推定される身体状態に実時間で対応する音楽を演奏するシステムの設計と応用に関する検討を目的とした。 被測定者に負担を与えることなく簡便に、かつ、連続的に測定できる生体信号として心拍変動時系列を対象とした。まず、実験により心拍変動時系列から得られるパラメータが精神作業中の生体負担度や作業への集中度、精神的緊張や二輪車運転中の眠気や注意集中を反映する可能性を得た。副交感神経活動度を表すとされる心拍変動の0.15Hz以上のパワーを簡便に、かつ、連続的に推定する方法も提案した。提案方法については、薬剤により自律神経活動を制御した実験データを解析することにより、副交感神経活動度を反映していることを確認した。また、この方法が精神的な緊張感の程度を反映する結果も得た。 次に、瞬時心拍数に応じて音程と発音間隔を決定し、心拍1拍毎に音を提示するシステムと、心拍変動係数の大きさに応じて演奏する曲の音量を変動させるシステムを試作した。 試作システムをコンピュータ作業時に適用し、生体信号に実時間で対応する音楽演奏のバイオフィードバック効果を実験により検討した。その結果、瞬時心拍数に対応した音楽情報を持つ音を心拍1拍毎に提示することにより、生体負担度がやや減少する場合と、作業成績が向上する場合が認められた。変動係数が高くなると音量を下げ、変動係数が低くなると音量を上げることにより、作業中の生体状態を一定に保ち、また、作業の正確さを高める結果となった。 以上のように生体信号から音楽へのインタラクティブ変換システムの試作と作業負担低減や、作業成績向上などの良好なバイオフイードバックへの応用の可能性を得ることができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 牛田順一朗, 横山清子, 水野康文, 高田和之: "瞬時心拍数で制御される音のバイオフィードバックの検討"医用電子と生体工学. 39・2. 135-144 (2001)
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[Publications] K.Yokoyama, J.Ushida, Y.Sugiura, M.Mizuno, K.Takata, Y.Mizuno: "Heart rate indication using musical data"IEEE Trans. on Biomedical Engineering. (採録決定). (2002)
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[Publications] J.Ushida, Y.Mizuno, M.Mizuno, K.Yokoyama: "Heart rate / music interactive computer-human interface"Poster Sessions : Abridged Proceedings, HCI International 2001. 121-123 (2001)
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[Publications] 牛田順一朗, 横山清子, 水野みか子, 嶋田勝彦, 高田和之: "心拍変動による作業中の提示音楽制御"電信情報通信学会技術研究報告 MBE2001-83〜102. 101・406. 71-75 (2001)
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[Publications] 藪腰梨里, 横山清子, 吉村ミツ: "リラックス度提示ヒューマンインターフェース"ヒューマンインターフェースシンポジウム2001 講演予稿集. 215-216 (2001)
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[Publications] 丸山勝也, 横山清子, 水野康文, 吉田ミツ: "生体情報を用いた二輪車におけるヒューマンインターフェースの設計"電信情報通信学会技術研究報告 MBE2001-83〜102. 101・406. 81-87 (2001)