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2001 Fiscal Year Annual Research Report

メディア美学の変容―ドイツの「ヒップホップ」をモデルとして

Research Project

Project/Area Number 13710019
Research Category

Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)

Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

秋庭 史典  名古屋大学, 人間情報学研究科, 助教授 (80252401)

Keywordsドイツ / ヒップホップ / 分散型 / モジュール / 情報 / 表現 / 限定 / 二重化
Research Abstract

情報の共有とデータベース化に基づきリサイクルされたものを独自のネットワークを用いて配信する、これを思考形態としての「ヒップホップ」の基本とし、その変容を捉えるための準備作業をすることが、本年度の目標であった。
まず、アイデンティティの問題から、思考形態としてのヒップホップを切り離すと同時に、情報リサイクルにおける人間の思考過程を並列分散型モジュールとして扱うことの意義と危険を確認する作業が行われた。理由は、両者を補完関係に陥らせないためである。すなわち:アイデンティティ本質主義の危険は明らかだが、加えて、リサイクル過程における人間の思考を並列分散型モジュールの結合と解体の繰り返しと考えた場合、統合的アイデンティティに関する本質主義者の強い不安や反発を引き起こし、本質主義者が固定したアイデンティティを擁護すべきとする口実を与える、その結果、モジュールの結合解体は既存の価値観保存の観点からの教育的方向付け(実例を通じた身体的なものも含む)を強いられ、開かれた変更の手段ではなく自他の区別を明瞭に保存すると言い立てるための道具となる(結果個は閉じる)。だからこそ、両者を切り離し、情報リサイクル過程そのもののもつ可能性を救出する必要があるのである。
この切り離し作業の経過を、第15回国際美学会議(International Congress of Aesthetics.千葉県幕張市、神田外語大学、2001年8月27日から31日まで)にて、「情報と表現(Information and Expression)」という題目で発表した(会議のプロシーディングスは現在編集中)。ここでは、情報が、内なる本質主義的アイデンティティの外化としての旧来の「表現」概念と無関係であり、他者との相互作用(限定、反復と二重化、異種混交)を通じてその多層な生成が可能であることを示した。なお、当初計画に従い、必要な設備の導入、またドイツ連邦共和国、オランダ王国での資料収集を行った。

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Published: 2003-04-03   Modified: 2016-04-21  

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