2001 Fiscal Year Annual Research Report
日本における初期映画の研究:世界システム論の観点から
Project/Area Number |
13710025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
北野 圭介 新潟大学, 人文学部, 助教授 (60303096)
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Keywords | 映画 / メディア / 世界システム論 |
Research Abstract |
本研究の目標は、日本における初期映画の実態を、狭い意味での映画史を超えて、多角的に捉え直そうとするものである。この目標にしたがって、今年度は、1)日本における初期映画に関わる各種資料と視覚文化の歴史についての各種資料の周到な調査、及び、2)世界史的文化状況論的なコンテクストの整理・検討のために、諸外国での初期映画研究の成果及び関連資料の収集をおこなった。 具体的には、そのような方向からの調査を次のように進めた。 1)については、イ 映画輸入時の新聞・雑誌等の記事や評といった資料、ロ 現存する日本映画の初期映像資料の調査及ぴ映像様式の分析、ハ 日本における前映画的視覚装置もしくは光学装置に関連する資料、の調査・収集を、国内では早稲田大学の図書館をはじめとするいくつかの機関において、国外では英国国立映画研究所においてすすめられた。この調査結果は、文字情報及び画像情報ともに可能なものはできるだけ、コンピューターにおい整理した。 2)に関しては、映画研究者のみならず文学研究者や演劇研究者と研究会などの機会をもち検討をすすめた。とりわけ、メディア研究を専門とする社会学者と日本のメディア受容に関する研究グループを組織し討議を続けたことは非常に有益なものとなった。さらには、ケント大学(連合王国)映画研究科の映画研究者に研究内容のレビューを受けたことも重要な刺激となった。 この調査結果は、文字情報及び画像情報ともに可能なものはできるだけ、コンピューターにおいて整理した。 以上のような経緯を受け、本年度の成果は、伊藤守編『メディア言説の政治性』(仮題、せりか書房、2002年刊行予定)において発表される予定である。
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Research Products
(1 results)