2001 Fiscal Year Annual Research Report
味覚嫌悪学習と嗅覚嫌悪学習の脳機序、特に扁桃体の役割についての研究
Project/Area Number |
13710035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
乾 賢 大阪大学, 大学院・人間科学研究科, 助手 (40324735)
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Keywords | 味覚 / c-fos / in situ hybridization法 / Northern blotting法 |
Research Abstract |
今年度は味覚嫌悪学習における扁桃体の役割を明らかにするために、学習の獲得過程における扁桃体ニューロンの活性化をc-fos遺伝子の発現を標識として調べた。 【行勒実験】 ラットに甘味溶液を呈示した後に内臓不快感を引き起こす塩化リチウムを呈示して味覚嫌悪学習を獲得させ、その後15分、30分、60分、120分、240分、480分、12時間、24時間後に断頭して脳を摘出した。 【Northern blotting法によるc-fos mRNAの検出】 扁桃体におけるc-fos mRNAの発現を調べるためにNorthern blotting法を行った。その結果、c-fos mRNAの発現を検出することができなかった。この結果の原因の1つとしてc-fos mRNAの含有量が少ないことが考えられたため、微量のmRNAでも検出することが可能なin situ hybridization法を行った。 【in situ hybridization法によるc-fos mRNAの検出】 ラット脳を14μmの切片にスライスし、in situ hybridization法を行った。その結果、扁桃体中心核において条件づけ15分後にはすでにc-fos mRNAが発現し、30分後に発現量がピークを迎え、120分後にはほとんど消失することが明らかとなった。先行研究で味覚嫌悪学習への獲得が示唆されている扁桃体基底外側核ではほとんど発現は見られなかった。 現在は同様の方法で延髄弧束核、橋結合腕傍核におけるc-fos mRNAの発現を調べている。
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