2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13710044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
竹本 篤史 静岡理工科大学, 理工学部, 講師 (20263056)
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Keywords | 視覚 / 形態知覚 / 輪郭知覚 / スケール / 位置 |
Research Abstract |
人の形態視の基礎となる輪郭の知覚過程において、画像中のスケールと位置の情報がどのように統合されているかを検討するため、2種類の精神物理学的実験を行った。第一は、輝度を変調して作成される複合波グレーティングをウィンドウイングしたパタン(複合波パッチ)を多数配置した刺激画像に対して、長い線分を構成する複合波パッチ群(パス)の有無を判断する検出実験である。2次元周波数成分の統合と空間位置間の統合の相互関係を明らかにするため、複合波の周波数成分(Windowの形状を含む)を組織的に変化させる実験を行った結果、条件によって空間位置間の統合の前段階に局所的な特徴を形成する場合があることが示唆された。 スケールと位置の統合の間題は、輝度属性に限られるものでなく、色、動き、両眼視差などの属性をもとに知覚される輪郭形状にも該当する間題であり、輝度以外の属性でのスケール・位置統合の様態を知ることが重要である。第二の実験では、他の属性に比較して不明な点の多い両眼視差における位置-スケール統合の問題を、ランダム・ドット・パタンの両眼視差から生じる奥行きのクレイク-オブライエン-コーンスイート錯視の形態依存性を調べる実験によって検討した。その結果、他の属性と同様、この錯視がスケール・インバリアンス特性を示すことがわかった。また、視差の低空間周波数領域での感度低下がこの錯視の原因とする従来の仮説があてはまらないことも示唆された。 他に、研究実施計画で述べられている主観的輪郭の知覚に対する周波数成分の効果を調べるための実験の準備を終えた。現在、実験を遂行中である。
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