2001 Fiscal Year Annual Research Report
障害者のセクシュアリティについての質的調査による研究
Project/Area Number |
13710111
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
横須賀 俊司 鳥取大学, 教育地域科学部, 助教授 (60304193)
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Keywords | 障害 / セクシュアリティ |
Research Abstract |
初年度は10人程度の男性障害者にセクシュアリティについての聞き取りを実施するつもりであったが、10月末に追加採択の内示がでたために聞き取り調査を実施するための準備等が間に合わず、結果的に3人の男性障害者にしか聞き取りをすることができなかった。聞き取りの対象とした男性障害者はすべて頸随損傷という障害者に限定した。頸随損傷という障害は性機能障害も伴うという他の障害にはあまり見られない特徴を有しているためである。対象を選ぶに当たっては、研究代表者(筆者)の知人に依頼した。見ず知らずの人間に対してセクシュアリティという極めて私的なことを話してくれる人はなかなか少ないと判断したからである。 調査対象に偏りがある中で得られた知見は次のようなものであった。様々な制約により障害者は性行動があまり活発ではないのではないかという予想とは反する実態であった。3人ともかなり活発に性行動を行っていた。性機能障害についても必ずしも否定的な意味付与をするわけでもなく、限定された自分の状態の中で性行動に肯定的な意味を付与しているようであった。男性は性行動において能動的な役割をとりたがったり、それを求められたりするが、それが困難なこれらの障害者たちは受動的な役割を受け入れながらも、能動的な役割を追求するという矛盾した部分もあり、今以上の聞き取りをしていく必要がある。来年度は聞き取り対象者を増やして、さらなる知見がえられるよう研究を進めていく予定である。
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