2001 Fiscal Year Annual Research Report
社会変動に及ぼす集合行動の効果測定に関する国際比較研究
Project/Area Number |
13710129
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
土屋 淳二 早稲田大学, 文学部, 講師 (80287937)
|
Keywords | 国際情報交換 / イタリア / 流行 / 集合行動 / 文化変動 / 大衆 / モード / アイデンティティ |
Research Abstract |
本研究の年次計画に従い、本年度では国際比較研究の対象国イタリアにおける学術研究機関との国際情報交換(資料収集・現地ヒアリング等)をつうじて、当該国における集合行動研究の展開動向の把握と共同研究の可能性を模索した。その結果、当該国での研究協力、組織体制および知見の蓄積レヴェルを勘案し、国際比較研究の対象となる集合行動項目を流行事象に設定することで集合行動と社会・文化変動に関する二国間での共同研究を推進することが確認され、共同研究ネットワークの構築作業が開始された(現段階での現地協力研究者所属機関:5大学、その他)。このことにより本研究では、これまで防災研究を中心に蓄積されてきた集合行動に関する理論・方法論の国際比較データに基づく適用・検証、集合行動の項目間(危機的事態/日常生活での集合行動)での理論的統合を企図することになる。次年度以降、当該の研究者(組織)ネットワークを学術機関のみならず関連諸団体・組織へも拡張し、共同研究体制の整備をさらに推進していく予定であるが、国際共同研究への具体的手順として、これまで未整備であった両国間での当該分野における理論・方法論の共有化を図りつつ、学術交流を活発化していくための第一段階として、現在、文献・資料データの相互交換(2002年1月25日:Padova大学にて講演会実施)およびイタリア国内研究の翻訳・整理作業が積極的に進められている(作業終了後、公開予定)。とくに、イタリア社会学(社会心理学)の展開およびそれを理論的基礎として構築されている流行研究を含む集合行動研究は、その理論的多様性と知見の蓄積にもかかわらず日本においてこれまでほとんど考察されることがなく、本研究を推進するにあたって大きな障害となっていることを考慮し、文献・資料を中心とした理論研究が現段階での緊急課題となっている。
|
Research Products
(1 results)