2002 Fiscal Year Annual Research Report
日韓における文化交流・交易の現状と政策的課題-韓国の「日本文化解禁」措置による日本文化受容の現状と近未来展望を中心に-
Project/Area Number |
13710133
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
黄 盛彬 立命館大学, 産業社会学部, 助教授 (50308095)
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Keywords | 文化の地政学 / 日韓関係 / 東アジア / 他者認識 / 日本イメージ / 韓国イメージ / メディア言説 / 日本文化 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、日本と韓国両方の政策当局および関連業界、専門家などを対象に積極的に聞き取り調査を行い、数回にわたって韓国での実際の「日本大衆文化」の受け入れ状況、そして日本における「韓国文化」の実態にっいても調査を進めてきた。一連の研究作業の成果は、単行本としての出版を目指しているが、本研究を進めながら研究の対象を、両国における関係認識のほうにシフトさせた経緯があり、今年度においても直接的な研究の成果は「日韓の相互認識」に関連するものが多かった。その第一の理由は、昨年7月以来、いわゆる「歴史教科書問題」や「靖国神社問題」で韓国内の世論悪化などを背景に「日本大衆文化」の追加開放が中断されている状況が続いたことに関連している。この問題をめぐる韓国内のメディア言説や政策担当者とのインタビュー結果などから、「日本文化開放政策」が一般の貿易政策とはちがって、さまざまなレベルの日本認識(他者像)に大きく影響されていることがわかった。「日本文化禁止」政策にも過去の歴史をめぐる記憶や政治が大きく関わっており、その点を解明した上でさらに近未来の展望を示す作業がより緊要な作業であると指摘できた。一方で、2002年W杯の共同開催をきっかけに両国間の文化交流・交易の動きは大きく進展した。しかし、一連の現象においても、日本と韓国それぞれの「自画像」と「他者像」をめぐってさまざまな相互作用が見られたので、いわば両国における相手認識がどのように国内政治へ動員され、いかなる作用をもたらすのかを解明する作業に主に取り組んできた。なお、今後も本研究テーマの問題意識を維持しながら、「東アジアの文化の地形を、市場、イデオロギー、民族、言語などの多様な層の分節状況および相互に影響しあう複雑な絡まりのダイナミックス」を解明する作業を続けていきたい。本研究はその出発点となるものであった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 黄盛彬: "検証・日韓W杯報道(上)"放送レポート. 第178号. 12-15 (2002)
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[Publications] 黄盛彬: "検証・日韓W杯報道(下)"放送レポート. 第179号. 34-37 (2002)
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[Publications] 黄盛彬: "2002W杯はどのように語られたか-『日韓比較』の比較:1996年共催決定から2002開幕まで"立命館大学人文科学研究所紀要. 第81号. 25-54 (2002)
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[Publications] 黄盛彬: "2002杯と韓日関係(韓国語)"寛薫ジャーナル(韓国). 第85号. 73-85 (2002)
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[Publications] 黄盛彬: "2002W杯と日本の自画像、そして韓国という他者"マスコミュニケーション研究. 第62号. 23-39 (2003)