2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13710150
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森下 美千子 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 講師 (50252218)
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Keywords | 留学生政策 / 留学生教育 / 国際化 / マーケティング / 多様性 |
Research Abstract |
平成13年度は、先行研究の整理およびヨーロッパにおける留学生政策・教育に関する現地調査を計画し、1.文献調査、2.日本の高等教育機関による留学交流取り組み状況に関する聞き取り調査、3.留学交流マネジメントに関する海外現地調査を行った。これについては、13年度は特にイギリス、ドイツを中心にEUの高等教育機関による国際教育交流の現状について調査したが、その主な特徴は以下の通りである。 (1)英語を教授言語としたプログラムの増加と内容の充実 EU内外の学生移動活性化のため、英語を共通語としたプログラムが急速に増加。これまで自国語による教育を重視していると考えられていたドイツなどにおいても英語のみで学位を取得できるようなプログラムが増加中。 (2)プログラムの多様化 学生の国際移動を活性化し、またそれに伴う多様なニーズに応えるべく、サマープログラム、ICT利用プログラム、遠隔教育、オフショア・プログラム、ツイニング・プログラム、学位二重取得プログラム等、国際教育の多様な形態を提案・実施。(いずれの形態においても学位取得の重視) (3)マーケティング重視の傾向 高等教育を売買可能な「サービス」の一つとみなし、授業料徴収の有無にかかわらず、マーケティング概念を取り入れた国際教育運営への変化。 (4)その他 (1)学位・教育システムの国際化(他との調和への努力)、(2)国際交流担当者や留学生アドバイザー等実務担当者育成・専門性強化の重視による国際教育推進、(3)政府・大学以外の第3機関の活用と明確な役割分担による協力体制の充実、(4)授業料に見合う教育の質向上の重視、(5)授業料徴収導入への変化の兆しなど。 平成14年度は、上記1、2を継続して行うとともに、3については留学生の多くの受け入れ国となっているアメリカ・オーストラリアにおいて現地調査を行う。また、アジアの大学が留学生市場に進出するための戦略を模索するために、韓国の状況についても文献調査の対象に加えたいと考えている。
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